竜平

侵入者たちの晩餐の竜平のレビュー・感想・評価

侵入者たちの晩餐(2024年製作のドラマ)
4.0
とある女性三人が企てる空き巣計画が思いもよらない方向へ。ノンストップ、しかしシュールに展開していくサスペンス的コメディ。

見始めるまで知らなかったんだけど脚本を務めるのがバカリズム、で初っ端それがわかってからもうバカリズムのネタとしてしか見れなくなってしまった、いやもちろんいい意味でね。メインのキャストが菊池凛子、平岩紙、吉田羊、このお姉さんたちのナチュラルなやり取りがすげーいい感じ。会話の様子もなんだかリアリティーに溢れてて、見ててニヤけてしまうってのは俺だけじゃないはず。計画から実行の導入部分からおもしろくて、また実行中にもやっぱりトラブルがあったりするし、そんでどっかしらで落ち着くかと思いきや後半へ進むにつれて右肩上がりにどんどん盛り上がっていく、その展開にグイグイ引き込まれる。で、山場っぽいドタバタ模様が出てきて、このくだりでクライマックスかと思いきやそこから更にもう三、四回ほど山場が来るから侮れない。いや三、四回どころじゃなかったかも。脇役キャストたちの配置もまた絶妙で、人物然りアイテム然り、細かい伏線が後々回収されるのも気持ちいい。「そーいえばそうだった」的な。

人間関係に於いてのわりと嫌らしい部分、罪のなすりつけとか、揚げ足の取り合いとか、他人に対して起こる摩擦みたいなのもリアルに描かれてる気がするんだけど、そこらへんがしっかりコメディの様相になってるのも素晴らしい。フツーに笑ってしまうし、その人間模様の中にもまた秘密が隠されてたりして、仕掛けが何重にもなっていて際の際まで楽しめる。邦画で言うところの内田けんじ作品、『アフタースクール』『鍵泥棒のメソッド』あたり好きってな人は今作も大好物なんじゃないかなと。てかこれ特番のテレビドラマだったのね。NETFLIX内で見かけたもんで勝手にネトフリオリジナル作品かと思って見てた、よん。
竜平

竜平