サンタフェ

マスターズ・オブ・ザ・エアーのサンタフェのレビュー・感想・評価

4.1
スピルバーグ&トムハンクス コンビという『プライベート・ライアン』『バンド・オブ・ブラザース』チームによる大戦ドラマ。

期待がとてつもなく大きかっただけに完璧な作品!とは言えませんが、たしかに大きな意義を感じたドラマでした。

まずはなんといっても航空戦描写の凄まじさ。

正直に言って、私はダンケルクやトップガン マーヴェリックを観て「もう映画で航空戦はこれ以上やることがないのかな」と思っていたんですよね。そんなことは全くなかった。あまりにも凄すぎて驚愕しました。

もう一つ言及すべきはやはり8話。タスキギー隊の描写は大きな意義を感じましたね。私は大戦ものの映画やドラマではタスキギー隊については観たことがありませんでしたので、素直にとても新鮮でした。

一方で物足りなかった点を挙げれば物語面でした。個人的にプライベートライアンはそこまで物語面は刺さらなかったもののエンタメとして面白かったとは思いますし、バンドオブブラザースがこの点で最高で本作との総合的な満足度の差はここら辺にあるかなと。

バンドオブザブラザースの素晴らしさは1話1話のテーマが明確で、それが複数話で連関していくドラマ形式を活かした構成でした。それに比べると焦点が定まらず冗長なのは否めず、結末もそこまでドラマチックではなかったのもイマイチでした。

また少し話が逸れますが、マスターズ・オブ・ザ・エアーの航空戦を観て改めて思いましたが、やはり私は近年はどうもドラマの方が映像への挑戦の姿勢にスケール感を感じてしまいますね。

映画が年々どんどん決められたルール(制限)の中で技法を競うような競技性が増しているように思うのですが、ドラマは根本的に昔は技術的資本的に不可能だった映像を実現させるというスケール感の違いを感じてしまいます。

全ての期待を超えてきた…という訳ではありませんでしたが、間違いなく一見の価値ありのドラマシリーズでした!とりわけ破壊的スケールの航空戦はぜひご覧いただきたい。
サンタフェ

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