うりぼう

神の子はつぶやくのうりぼうのネタバレレビュー・内容・結末

神の子はつぶやく(2023年製作のドラマ)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

NHKスペシャル "宗教2世"

教団にはまる母を持ち、学校で居場所もない長女遥、河合優実が見事に演じる。妹役の根本真陽も必死についていく。

教団の問題、2世達の今を見がちだが、親が入信するきっかけが必ずある。末法の世に様々な宗教が広がり、今の仏教がある。今でもミクロでみれば、同様に困難に陥った人が救いを求める人はいくらでもいる。生活苦にせめて、心の救いを求めるのは当然。

家族の笑顔よりも戒律の遵守を優先した時から、本末は転倒する。教団はサタンの名の下に快楽を否定し、ピュアであることを求め、踏み絵を課す。家族と信仰、自分は試されていると誤解し、周囲の無理解の被害者に居場所を見つける。

愛する家族が、自分の為に入信宣言をしたことに違和感を感じ、信仰が揺らぐ、長女が信仰を拒否した以上に。教祖の存在感の無さが、母の信仰心と対比され、教団の危うさを感じさせる。ただ、この物語に教団の搾取は無く、あくまでも家族の葛藤の物語、最後の和解が救い。

人の良いだけの父、同じ目をした妻への求婚は、自己責任の強さと自己憐憫の弱さの違いが、見抜けず自業自得か。美男薄命。
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