映画大好きそーやさん

すんドめの映画大好きそーやさんのレビュー・感想・評価

すんドめ(2023年製作のドラマ)
1.2
男の欲望を具現化した、ファム・ファタール的偶像。
ごめんなさい。私もなぜこの作品を観ようと思ったのか、そしてレビューを書こうと思ったのか、全くもって分かりません!
手が滑って第1話が再生されてしまったところまでは覚えているのですが、それ以降は勝手に垂れ流される、この世で最底辺に近い映像集に、煮え滾るような怒りを覚えておりました。(イングマール・ベルイマンの『もだえ』が、Amazon Primeにないか探している最中のことでした。結局そちらは見つからず、残ったのは本作を完走してしまったという事実だけでした)
きっと文句が言いたかったに違いありません。決して疚しい気持ちなどなく、純粋な気持ちで完走させて頂きました。
最初が酷くとも、回を追う毎に良くなっていくのではないか、全体の構成で逆転の芽があるのではないかという私の期待は、真っ向から裏切られ、最低最悪、正真正銘の暫定最下位の地位にて、本作の評価は固まることとなりました。
あの悪名高い『小説家の映画』超えの低評価ですから、いかに凄いかが伺えることでしょう。
良い点(気色悪い点)は、全編に渡って惜しげもなく展開されるフェティシズムカットの数々と、第5話の体育倉庫シークエンス内の牛乳事件(私独自の呼び名となっております。該当シーンは、第5話をご確認下さい)、第6話の目隠し着替えという2つのシークエンスにおけるエロティシズムカットのみです。(特定のエロティシズム描写を挙げるなら、第4話の2人っきりの屋上で、脱ぎたてのパンツを主人公に渡すシークエンスもとても気持ち悪くて良かったかもしれません。あとは、第5話でヒロインが直で着ていた体育着を脱ぐ際に音だけでその下にあるものを想像させるシークエンスも、婉曲的ながらとても興奮を煽っていたと思います。皆さん、変な目で見ないで下さい。私は、本作を真面目に鑑賞致しました。本当です!嘘じゃありません!!)
ただそれ以外は映像作品としての体をなせておらず、イメージビデオやある種グラビア撮影に近い内容となっていました。
俳優たちの演技も棒読みなものが多く、舞台っぽさが拭えない人、発声が下手な人等々と、悪目立ちする人が何人も見受けられました。
また、演出もエフェクトであったり効果音であったりがチープで、尚且つカメラワークもねっとりしているだけで特にエロティシズムを刺激する訳でもないという惨憺たる始末となっていて、「早く終われ!書きたいことが山ほどある!!」と、鑑賞中ずっと叫び続けていました。
あと、諸々の詰めも甘く、転校してきて2日目にも関わらずヒロインの上履きが黒ずんでいる等々、数え切れないほど気になる点が見つかりました。
他にも、童貞である主人公とその男友達がエロティックな妄想をする場面も幾つかあったのですが、その尺がこちらの想定の3倍は長く感じ、正直苦痛で苦痛で仕方ありませんでした。
際どい描写に果敢に挑むことは結構ですが、逆に狙い過ぎな感じも出てしまっていて、1度も気持ちが昂まる瞬間はありませんでした。
書いていて思い出したのですが、第1話でヒロインに対して病気や疾患を抱えている可能性が示唆されておきながら、その回収もなされなかったのも気になるポイントでしたね。
劇伴も酷ければ、主人公への共感ももてず、主力であった筈の紳士描写もどうにもスマッシュヒット確率が低く、ならば一体何を楽しみに本作を観ればいいんだと、制作陣に問い詰めてやりたくなりました。
これが2023年に公開された作品であると聞いて、驚かない訳にはいきませんでした。
ベルイマンやスピルバーグの映画を観て、目を洗浄してきたいと思います。
総じて、作られた意味を今1度問いたい、これまで観た映像の中でダントツ最下位の映像集でした!(2024年4月17日時点)

映画大好きそーやさんさんの鑑賞したドラマ