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不適切にもほどがある!のBaadのレビュー・感想・評価

不適切にもほどがある!(2024年製作のドラマ)
3.7
話の大筋としてはすごくいいんだけれど、大きく取り上げている部分のコンプラ問題の設定と解決がピンとこないことが多くてイマイチ消化不良でした。

特に第一回、昭和の女性ならともかく、あれで仕事辞めると言い出すのは今時あり得ないと思った。

無理難題のクレームは言っている人が昭和のメンタリティーなので、そもそもそんな若い人がそんなクレームはあり得ないよ、という部分で興を削がれました。

阪神淡路大震災の使い方とか、小川家の親子関係、タイムマシーン発明者の一家、タイムリープできるトンネルなど、主要なキャラはすごく生き生きしていただけにもったいなかったです。

ムッチ先輩親子を演じた役者さんがすごくハマってて良かった。

全体的に昭和の描写は良かったけれど、令和はどうなんだろう。

クドカンって、中身は令和についていけてないおじさんなんだろうなあ、と思った。

あと、ミュージカルシーン、いけてなさすぎて、そこだけまともな振付師と演出家雇えよ、と思った。歌だけの時は良かったけど。

これは普段インド映画見慣れてるのでそう思ったかも、いや日本だって三池崇史さんだったらずっと上手くやらない、ということで、ここで大きくマイナスになりました。

平成以降に生まれた人は、現代の部分のコンプラ問題は飛ばしてみた方がいいかも。昭和はあんなに無茶苦茶だったんだよ、というのを見るには面白いドラマかも。

あと、最終回の「寛容になりましょう」の歌については、その前の流れからクレーム入れる人に対して歌っているようにも見えたけれど、むしろ上に立つマジョリティーの人にそう歌っている歌なんだということは歌っているメンバーやその後の流れからして明らかで、そこらへんはとっても良かったなあ、と思いました。

特に携帯切りましょうが秀逸。

ただ、ラストが良くてもそれまでの積み重ね、特に前半のコンプラ部分の申し立てがあり得なすぎて、見る人によっては、これ、強い立場の人の勝ち逃げを応援するドラマに見えるよなあ、とも思いました。

これ、年齢とともに上に立つ立場になって、意識の低い人たちの無理難題にも向き合わなきゃいけなくなって困っているこれまだ順調だった人のために処世術を教えているとってもためになるドラマなので、40代以上でスルスルと成功してきた人は逆にみたらためになるのかもしれない。
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