このレビューはネタバレを含みます
クドカン作品の中でも出色の出来だと感じた。
1986年と2024年を行ったり来たりするストーリーだが、昭和を知る人にはなんとなく懐かしいし、昭和を知らない人も楽しめる要素が沢山ある。
また、本作の肝となっているのは、令和の「生きにくさ」に対する態度であるが、では昭和の方が良かったのかと言えばそんなことはない。絶妙な落とし所を示しているところが素晴らしいと感じた。
それを最も体現しているのが、阿部サダヲ演じる小川なのだが、昭和の体罰体育教師が、令和で会社の相談役になるところが面白い。
本作のインティマシーコーディネーターの描き方について、当事者からの批判もあるようだ。確かに、当事者からするとちゃかすな!と言いたくなるのかもしれない。
それは、マタハラだってセクハラだって同じである。
しかし、地上波のドラマでこういう賛否あるテーマをとりあげて面白くしようという試みは素晴らしいと感じた。