やみいしゃ

さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~のやみいしゃのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

最終話まで視聴(点数は随時変動)

----1話をみて
思いのほか評判が今ひとつっぽいので見るのを躊躇ってましたが、とりあえず1話を見てみた。

えーそんなに悪くないけどな。
少なくとも1話即切りするような感じではありませんでした。

リバーサルオーケストラってやつを見てないのが良かったのかしら。そう言えばのだめも見てないんですよね。
でも「それが答えだ!」が歴代ドラマ上位に入る自分です。指揮者主人公のドラマには良い予感しかしないのはあるかも。

親子の話が軸になっていそうなのもオーケストラものとしては斬新に見えたし、普通に次回が楽しみです。

----3話までみて
何度となく演奏シーンが出てきますが、オケの演奏、二人での演奏、一人きりの演奏…どのシーンもとても良い。グッとくる。
丁寧に作られているなぁと感心します。
3話最後の愛菜ちゃんカッコ良すぎ。比喩ではなく、鳥肌が…

----最終話までみて
何話か前に、響が大ちゃんに父がドイツから誘いを受けていることを相談した時点で、俊平がドイツに戻る最後になる流れは見えていました。

また、もともと指揮者になりたかった上に指揮ぶりがSNSでバズったコンマスの近藤さんは、バイオリン弾きである響がきっとコンマスとして加入するだろうから、いなくなる俊平のあとの穴をちょうど埋めるように指揮者になる、という流れできれいにパズルがはまるのだろうと予想していました。

最終回冒頭で離婚という決断に至った(これはちょっと意外)ところで、上の予想はより確信となり、このドラマは家族が皆自立していく物語なのだと思いました。

結局、おおよその流れは予想通りだったものの、天音ちゃんが指揮をするのは意外でした。いきなりできちゃうのはちょっと違和感あったかなぁ。
彼女の演技や雰囲気がすごく良かったけど、役としてはちょっと浮いていました。市長の娘なだけに、晴見フィルの存続に絡む大きなキーパーソンになるのかと思ったけどそうでもなかったし。
最終話は父の理解をある程度得て、本格的に音楽を勉強するために音大を目指す決意をするとか、そして将来ドイツで活躍する俊平の本当の弟子になるを目指して頑張ります!みたいなエピソードが入ってほしいと思っていました。
あれ?本当にそのまま晴見フィルの指揮者になるってことだったのかな…そこんとこはいまだにちょっとモヤモヤしてます。

そしてもう一人、どうしても気になっていたのは海くんで、良い子過ぎるが故にちょっと扱いが雑にされてる気がしていて、彼自身の変化や決断みたいなものをもっと見たいと思っていました。
自身もピアノをやっていたが、父や姉ほどの抜けた才能がないことを自覚して音楽から離れてしまった海くん。たぶん理由もわからず、小学生の終わりくらいの幼いころから父と別れて暮らすことになったわけだし、聞き分けの良い子だけに実は響よりもかわいそうな気もして、彼が報われるようなエピソードが最後に欲しかったです。
バイオリンを練習している天音にアレンジを書き、お父さん張りに演奏者の良さ引き出して皆を感動させ、久しぶりに音楽の楽しさを感じた海くんは、父と同じ指揮者になりたいと思い始めるのではないかと、そこで最後に旅立つ父と一緒にドイツについていくことを決意し、いままで別れていた穴を埋めるように父の一番近くに寄り添うのは海くんになるのではないかと、そんな予想をしたのですが、そんな彼に関するエピソードが最後まで無かったのは残念。

そんなふうにストーリーのモヤモヤは多少あったものの、全体的にはよくできていたし、何より演者が皆素晴らしくてほんとに楽しく見ることができました。
続編とまでは言わないけど、特に海くんと天音ちゃんの後日譚を入れたスペシャルドラマが見たいです。