てっちゃん

舟を編む 〜私、辞書つくります~のてっちゃんのレビュー・感想・評価

4.5
三浦しをん原作の『舟を編む』のドラマ化。2013年には、松田龍平(馬締光也役)×宮崎あおい(林香具矢役)で映画化されており、こちらもとても良い映画でした。本ドラマは馬締光也(野田洋次郎)が主役ではなく、辞書編集部へ突然異動が決まった岸辺みどり(池田エライザ)を主役としての新たな構成。(映画版の岸部みどりは黒木華)

初回を観た時は、推しの池田エライザが派手派手で、映画版とのあまりの印象の違いに、これ大丈夫かな?と心配になったほど。(読者モデル出身という設定、池田エライザ本人のセルフパロディなの?、思いました)
それでも第一話から「言葉の用い方」によって、恋人、親子、同僚、友人といった「関係性」が崩れたり、絆を取り戻したり、新たな繋がりが生まれたりと、10話全編考えさせられるドラマでした。

さらに時代設定を1995年から2017年に移しており、インターネット、チャット、炎上騒ぎなども「言葉に纏わる現代風景」も上手く取り込んだり、紙VSデジタルということも、俎上に載せています。刊行寸前には「コロナ」禍に見舞われるという、まさに人と言葉と繋がりが問われる事態に。

岸辺みどりの成長譚、辞書編集部の奮闘記、そして現代へのメッセージも数多く含んだ作品でした。

「言葉は誰かを傷つけるためではなく、誰かを守り、誰かとつながるためにある」
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