Fラン女子大に通い、学生寮で暮らす4人組の話。奨学金をもらってバイトもしてギリギリで暮らしている貧困学生の彼女らが、慶応風の名門私立大のインカレイベサー男子にもてあそばれ、復讐として100万円を盗むところから物語は始まる。
若者たちの間で現実に存在する格差に焦点を当て、妊娠中絶、パパ活、SNSトラブル、マルチ商法詐欺などの、若者の貧困と密接に関連する様々なトラブルを折り込みつつ、緩急のあるストーリー展開で惹きつける脚本。終盤は不同意性交について無自覚だった被害者に気づきを与えていくというフェミニズム寄りな意欲的な展開。
「傷つけられてる人が直接戦わなきゃいけないわけじゃない」という言葉は、当事者以外が行動を起こすことの大切さを語っており、自己責任風潮に対するアンチテーゼだ。
主役は太眉女優の仁村紗和、その他のわき役たちはモデルやアイドル出身の比較的地味目なキャスト者が多いが、仁村紗和と、イベサーリーダー一ノ瀬颯の演技が安定しているので安心して見られる。
その他、沢村一樹の息子の野村康太がわき役で出ているが演技は微妙。
