巨島

ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-の巨島のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて視聴した1~3話までのレビューです。

あらすじやティーザー映像、メインビジュアルからの印象で、楽しめるか不安がありましたが、1~3話まで見て続きも見てみたいと思いました。

ストーリーや若手俳優さんたちの演技の拙さは感じましたが、
ストーリー特にアニメパートは主人公の母親が描いた、もしくは描き起こした部分の世界であることとすればその拙さも納得することが出来ると思いました。
演技に関しても、演じているキャラクターの若さ、周囲との馴染めなさ、愚直さ、上手くいっていない様子、その世界での立ち位置にリンクしていました。

ですがそういった所が気になって楽しめない人もいそうなので、手放しで大絶賛!とは言えませんが私は面白かったです。
ただ、面白いと感じた部分は初めに書いたあらすじやティーザー映像、メインビジュアルにはほとんどない部分だったので、売り出し方が残念だと感じました。

以下、面白かった所を書いていきます。

・この作品のみのオリジナルの人工言語
言語や人工言語に興味があるため、とても興味深かったです。ウーパナンタ語は単語はもちろんのこと、文法も1からつくりあげたとの事。演じる上でかなり枷になるのではと思いましたが、見ている側からすると正解のわからない言葉なので、通じる言葉より違和を感じにくいのかもしれないと思いました。ウーパナンタ語のとくに名詞は東北訛りに近い気がします。ウーパナンタの世界で勉強していたシーンがあるとはいえ、突然なめらかな日本語に切り替わる部分はもうすこし説明が欲しかったと感じます。視聴者向けの説明ばかりの作品もどうかと思いますが、この点は主人公たちにも説明がなかったので違和感がありました。

・ガフィンのかわいさ
可愛かったです。ティーザーやメインビジュアルでは他のドラゴンはチラリと映る程度でガフィンばかりなため、出てくるドラゴンがほとんどみんなガフィンのような感じなのではと思っていましたが、数いるドラゴンの中で希少な存在であることがもっと伝わればいいなと思いました。ガフィン以外のドラゴンはほとんどみんなカッコよくて強そうなドラゴンらしいドラゴンというヴィジュアルでした。見た中では明言されていませんでしたが、ガフィンは実は…みたいな伏線でしょうか。3話で出てきたガフィンに似た小さな生物たちも特殊な扱いでした。可愛かったです。

・ベタな設定とのギャップ
異世界とこちらの世界が繋がる、異世界からこちらの世界に来る、その中でどう生きていくのか、どんな交流がありどんな物語が生まれるのかというとてもベタな設定のため、いわゆるキラキラしたディズニーらしいファンタジーを想像していました。おそらく最終的にはハッピーエンドなのかもしれませんが、違う世界に飛ばされたことによる困難がとても現実的でした。この世のものでは無いパワーを使っても魔法でなんとかなる!なんてことはなく、しっかり警察に捕まり、裁判にかけられ、前科者になる。異世界の力でチート人生!なんてこともなく、今まで培ってきたものが役に立たず陰鬱と過ごす…異世界のヒーローはこっちに来てもヒーロー!と言った感じでもなく、あまり良くない意味合いでの教祖様… 本当に異世界転生が起こったら、この世界ではこうなるよね、というリアリティがありました。

・実際の製品やキャラクター
提供企業のお菓子やアイス、企業ロゴの入った服、誰もが知るキャラクターのおもちゃや有名なサッカー漫画、チキン屋の等身大フィギュア、江戸の火消しの持つ纏、牛丼屋の看板などなど、知っているものが物語の重要なキーとなるアイテムとしてたくさん出てきました。配信で逐一一時停止しながらじっくり見たくなります。

・主人公が共感覚持ち
私は主人公のように、音に色は見えませんが、音楽に色を感じたり、数字に色を感じたり、数字に触り心地のイメージがあったりするので、共感覚に興味があります。3話まででは主人公の普通とは違うコンプレックスにも繋がるようなものですが、これからの話でまた共感覚のことに関して触れられたらいいなと思いました。

・エンディング映像
各話ごとに違う、鉛筆画でのオフショット集のような感じでした。個人的にはタイムが勝手に冷凍庫を開けてアイスをたくさん食べているイラストが好きです。ガフィンが端っこから覗いていました。3話の終わりの、えっ!?もしかして!?というカットにはすぐにエンディングで答えが出ました笑


とりあえず見ていて感じた部分をレビューとして書かせていただきました。

私は津田健次郎さんのファンなので、津田さんにも実写出て欲しい〜と思いました笑
ですがジャイロは実写パートに出てきてもお顔は出ないですね笑
声を聞けば心の声まで聞こえるという世界で、何を考えているかわからないジャイロを表現するのは難しいだろうなと思いました。感情は読めず、だがとても強い存在であるということはわかる芝居でした。今後声に感情が乗るような描写も出てくるのか楽しみです。
巨島

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