キラリ

春になったらのキラリのレビュー・感想・評価

春になったら(2024年製作のドラマ)
4.1
“旅立ち”

この作品は、適材適所のキャスティングがとにかく素晴らしい!最終回もこのドラマにふさわしいテイスト・内容だったと思うし、最後のエンディング開始からラストが1番泣けた。

私自身、お涙頂戴作品や特に余命ものは苦手意識があるんだけど、そんな私でも絶対に観たいと思わせられる魅力的なキャスティングで、実際に観始めたらどの役もみんなハマリ役だった。奈緒と木梨憲さんが本当の親子に見えるし、憲さんが実演販売士という設定も、奈緒の婚約者である濱田岳が売れない芸人という設定なのも、憲さんを起用した作品として相応しいキャラクター設定だったと思う。

さらに、本作は、初回から最終回にお父さんは亡くなるんだなぁと展開が読めるのに、先がわかっているのに、なぜか毎回観たくなってしまう物語展開が最後の最後まで見事だった。そして、絶対泣くだろうなと思った最終回も、ただ悲しくて寂しいだけじゃなくて、楽しくて、優しくて、とても幸せな気持ちに包まれていて…表現が適切ではないと思うけど、亡くなるのにこんなに幸せを感じられる作品ってあるんだなぁと、なんだか新しい表現の仕方に触れることができた気がした。出会えたことに感謝したくなるほど素敵な作品だった。

★クランクアップなどメイキングを観ていても、出演者の皆さんが役の大小関わらずフラットな関係性で、良い意味で非常にアットホームで、皆さん良い顔で楽しそうにドラマ作りをされていたのがとても印象的だった。こういう温かい現場を観てるだけで嬉しくなるし、1シーズンこのドラマを見守ってきて良かったと思えるなぁ。
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