父と娘。
3ヶ月しかない、ものがたり。
主演は奈緒さんと木梨憲武さん。二人は父娘役を演じています。1話目の冒頭で、2024年の元旦に「3か月後に結婚します」「3か月後に死んじゃいます」と報告したところから物語は始まります。主題歌は福山雅治さんが担当されました。
父は3ヶ月を死に向かって歩き始める。娘は助産師の仕事をしているのもあり、生の祝福に向かって歩き始める。
誰が見ても分かりやすいくらいに対比されている。誰が見ても福山雅治さんの主題歌で泣かしに来ているのは分かります。誰が見ても、この物語の終わり方は予想がつく。
1話1話が1週間の出来事で、大きなドラマはなく、父娘の幸福や葛藤を丁寧に描いていました。父役の木梨憲武さんは、当て書きされたんじゃないかな?と言うくらいに、陽気で、頑固な父親役となっていました。たぶん演技が下手とかは、あまり関係ない。
毎回、心を打つものがあり、涙が止まりませんでした。作品を通じて、自分の未来や死について考えてしまいます。
末期の膵臓癌となり、治療して長く生きるのか、はたまた椎名雅彦のように死ぬのか。エンディングノートを書き、全てを達成するということは、死を受け入れているというのか?今までできたことができなくなるのが、終わるということなのか?など。
3ヶ月を本当の父娘なのではないか?という雰囲気を作って演じた奈緒さんと木梨憲武さんは良かった。何でも腹を割って喋れる親や友だちがいるって凄いこと。
最終話の「旅立ちの式」は、愛しかなかった素晴らしい場でした。あんなの、泣くしかないでしょう。
春を迎えたいと願った人がいる。私はその春を過ごしているんだな…と。