「The Brothers Sun」は孫兄弟の意味で、ミッシェル・ヨーがメインキャストの台湾人家庭のホームドラマ。「BEEF/ビーフ」と同じく、コロナ禍起因のアジア人ヘイトクライムに目配せしたアジア人オンリーのドラマだが、登場人物2人の加熱する軋轢どころか、台湾マフィアの抗争で、たくさん人が死ぬ。
渡米してきた組織の後継者である兄と、組織を嫌う母とロスアンゼルスに渡り出自を知らない弟との、ドタバタがストーリーの核だが、ヤクザ社会を舞台としたのは、アジア的価値観（と欧米人に思われているもの）をフィーチャリングしたいためらしい。
個人を度外視する家の意識とか、社交のフォーマットなっている礼節とか。
さすがに最後には家父長制に抗う展開で、何だか島崎藤村を連想した。
