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沈黙の艦隊 シーズン 1 ~東京湾大海戦~のj3livingのレビュー・感想・評価

3.9
セガール映画の日本版、じゃないよ。

実際、この作品の原作漫画が話題になってた頃に公開されたスティーブン・セガールの「沈黙の戦艦」があの漫画と関係あるのかな?と原作未読の私は思ったものです。映画の邦題つける担当の人があの漫画のタイトルに影響されたのは確実ですよね。その後セガールの沈黙シリーズはずーっと続くわけですが。

この作品、映画の方は見てないけど、連載漫画が原作という事なので一社提供のAmazon originalとはいえ連続ドラマにしてくれたのは大変ありがたい。ドラマ配信を前提に制作して一部をまとめて劇場公開したのだとか。珍しい。
アニメでもないのに、1話40〜50分もあるのに最終8話まで一気見しちゃったよ。中弛みしないねえ。よくできた話。

確かに原潜ものの映画は面白い。古くは「クリムゾンタイド」とか「レッド・オクトーバーを追え!」とか最高だったもんな。
原子力エンジンに核弾頭ミサイルによる大戦の危機、猛烈な気圧がのしかかる深海での圧潰の恐怖、窓もない酸素も足りない閉鎖的空間、音だけが頼りの潜伏と戦闘、魚雷や対潜ミサイルの時間を掛けて迫って来る恐怖と時間を掛けないと避けられないもどかしさなどあらゆるドキドキがてんこ盛りですから。

本作の主人公の1人でもある海江田の何を考えているかわからない不気味な表情は、ライティングや撮影技法もあるでしょうが演じる大沢たかおの新たな魅力となりました。常に余裕の表情で艦橋に立ったまま微動だにせず操艦を指示する姿は恐ろしささえあります。動かない役というのは演じる方も大変だろうなあ。
前半は玉木宏演じる深町が主役なのかな、と思ってたんだけど、なんか割と海江田に対して私怨で動いている様なところがあって、後半に向かうにつれて、あれ?この人が主役って事でいいのか?と疑問に思うところも出てきました。
最終的には、ああこの人が主役で合ってるか、とはなりましたが。

艦橋も広くて過ごしやすそうな最新鋭の原潜シーバット(やまと)に対して、それを追う通常動力型潜水艦たつなみの古くて狭苦しそうな艦橋の対比も面白い。

本作は映像も素晴らしい。どのシーンがCGでどのシーンがミニチュアでどのシーンが実寸のセット、もしくは本物で、っていうのがわからない。とはいえ海中のシーンはほぼCGでしょう。深海の視界の問題もあるから。でもそれ程作り込まれている。本物かどうかはさておきリアリティがある。

実を言うと日本のドラマ自体(というか邦画も含めて)最近はあまり見ていないのですが、久しぶりにとにかく引き込まれました。
原作から見ても完結していない様ですし、続きも作られそうな予感。
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