ししまる

沈黙の艦隊 シーズン 1 ~東京湾大海戦~のししまるのレビュー・感想・評価

4.5
日本近海で海上自衛隊の潜水艦が米海軍原子力潜水艦に衝突して沈没。実は日米が極秘に建造した日本初の高性能原子力潜水艦「シーバット」に彼らを乗務させる偽装工作だったが、艦長・海江田四郎は航海中、この原潜で乗員76人を伴い逃亡する。
壮大なスケールで描くミリタリーサスペンス。戦争と平和、専守防衛、核抑止力、日米関係など扱うテーマは重厚で超シリアスながら、アマプラで歴代最多視聴者数を獲得。あり得るかあり得ないかで言えばあり得ないが、エンターテイメントとしてはかなり面白い。緊張感があり、潜水艦の操作や戦術など軍事的な描写のディテールが凝っていて、VFXも良くできている。左右どちかに偏った内容ではないので、立場を問わず楽しめる。
なんといっても大沢たかおの演技にしびれる。米側ももう少しキャスティングに魅力があればなあ。日本の首相がまとも。米軍がここまでやられる映画もめったにないのでは。やっぱり潜水艦ものに外れなし。
✅メモ
1988~96年にコミック誌「モーニング」で連載され、累計発行部数3200万部を突破したかわぐちかいじ原作のコミック「沈黙の艦隊」を実写化。英題「Silent Service」は潜水艦戦力を意味する。
連載当初、実写化は不可能としていたかわぐち氏は、配信記念イベントで「あふれる緊張感と、みなぎる現実感で仕上げていただいた」と感謝の手紙を寄せた。
日本で初めて海上自衛隊潜水艦隊の撮影協力を得て、実際の海自潜水艦が撮影に使用された。指揮所、弾薬庫など艦内の様子や潜水艦独自の戦術部分も極めて精緻に再現されているとされる。完成披露舞台挨拶には当時の浜田靖一防衛相や海自関係者も駆けつけた。
自衛官が反乱を起こす映画への撮影協力について、酒井良・海上幕僚長は定例記者会見で「近年(隊員の)募集難に極めて苦慮している。海自の活動は国民から非常にわかりにくい遠方で行われ、潜水艦はその最たるものだ。その中で、潜水艦にスポットを当てた映画に協力することは、映画の世界ではあるが、活動の一端をご理解いただくという点で非常に広報効果があると考えている」と説明した。
冷戦終結、ソ連崩壊、湾岸戦争など原作連載当時とは国際情勢も軍事技術も大きく変化しており、これに合わせ原作の十字舵からX舵に、対艦ミサイルはハープーンからトマホークに変更するなどされている。
日本のPrime Videoで配信されたライブスポーツを除く実写作品としては配信開始後4日間時点の国内視聴者数で歴代1位。シーズン2の制作決定が発表されている。
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