新木

エクスパッツ ~異国でのリアルな日常~の新木のネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

アマプラオリジナルで素晴らしいドラマが続いておりますね。邦題のサブタイダサいですが、日本からは生まれてこなさそうな質感がとてつもなくうらやましいです。
香港を舞台に、あることがきっかけで息子が行方不明になった母親とその家族とご近所さんの物語。アメリカ人、インド人、韓国人と香港を”ホーム”としない女性の三者三様群像劇。雨傘革命の様子も織り交ぜながら、富裕層と家政婦、香港とアメリカやインドとの距離感あたりから生まれてくる歪み/軋みみたいなものが匂わす不穏さが妙に街とマッチしていました。そしてなんといっても最終話?エピソード6のまとめ上げ方が素晴らしすぎる。カフェでの正面カットで3人全員が対面しているわけでもないのに、あの会話の絡ませ方はほんとに見事。息子のガスが見つかるわけでもなく、言いたいことを最期に伝えたのちに父親は死んでしまったし、これから生まれてくる娘を希望と愛を持って育てられることができるのかぜんぜんわからない。ひとりひとり抱えるものが異なる彼女たちにきっと大丈夫って思えてしまうこの感じがたまらなく。そういった気持ちが、私たちの実際の生活でも隣人の背中をすこし押すくらいの行動に表れていくといいなと素直に思いました。お母さん役がすっかり適役なニコール・キッドマンを見ていたらなんだか『めぐりあう時間たち』も見返したいす。良かったー
新木

新木