あとたん

ウォーキング・デッド:ザ・ワンズ・フー・リブのあとたんのレビュー・感想・評価

2.0
え。これは正義なの?ハッピーエンドに違和感しかない。
なんか愛は死なない的な美しいラストに見せかけてますけど、めちゃくちゃリックとミショーンの主観オンリーで冷めました。

市民を守るためとはいえ、兵士1000人くらい虐殺してますけど。彼らにも普通に愛する家族がいると思いますがどうなんでしょう。これだけの高度なコミュニティは軍主導だったからこそ可能だったと思うのですが、軍は悪者という短絡的な構図。
リックが語る幼少期の記憶で、生活の再生のために父親が自ら農場を放火したエピソード。それが下敷きとなってコミュニティの再生のための犠牲=軍や兵士として正当化されているのでしょう。
ただそれは、農場をこれまで育ててきた主人自らが苦渋の決断で火をつけるからこそ説得力があるのであって、よそ者がよかれと思って主人の意志に反して放火したら単なる破壊者、侵略者に他ならない。例えばビール(軍のトップ)や兵士の死が、ソーンやオカフォーによるクーデターによるものであればもっと納得感があったかもしれない。

因みにビールの語る14年後の人類滅亡を見据えた人類補完?計画はやり方に問題があるにせよいずれは向き合わなければならない問題であり、将来的に大きなチャンスを逃したとも考えられる。どの立場にも正義はある。

本編でリックが体現したリーダー像は互いを尊重し、誰も見放さない。一人の命を助けるために多くの仲間を危険に晒すけれど、結果的に集団の相互信頼を築いてきた彼の魅力は今回のエピソードでは感じられなかった。

リックってこんな人だったっけとガッカリしたスピンオフでした。
因みにラブシーンは3分の1くらいでも愛のテーマを表現するのに十分だと思います。
あとたん

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