Rocco

The 8 Show ~極限のマネーショー~のRoccoのレビュー・感想・評価

4.0
実は今年ネトフリで公開予定の作品の中でも個人的に期待値がかなり高かった作品。多才な演技に注目しているパク・ジョンミン、リュ・ジュンヨル、イ・ジュヨン(毒戦ビリーバーの聾唖の製薬係)、それに尖った悪役パク・ヘジュンに振り幅大きいチョン・ウヒだし。

ところが、公開後即一気見するつもりがスムーズにいかず、2度離脱。
果たして最後まで観るべきか悩んで一晩おいて再開を繰り返すほど、神経を逆なでするシーンが多い。

パク・ヘジュンが暴力をふるうのは初めて見たわけじゃない。ただ、これはノワールではないし、非日常空間とはいえマンションの一室で相手が女性、しかも紫出目金になる位殴るのは観ていられない。太ももを撃つのも。金魚鉢とかとにかく拷問シーンが胸糞過ぎる上、相手が組の人とかではなくて、お隣さんでもおかしくない設定なので余計に刺さる。

ということで、果たして最後まで何パーセントの人が見るのか判らないけど、設定自体はよく計算されていて、上手いなと感心する部分が沢山。インプレで収入だけでなく生存/継続期間が決まる昨今のコンテンツクリエーターの現状を上手くあぶり出している。そんなに甘くないのよ、刺激は慣れたら面白くない、一線を超えたら戻れないのよ、体張ってトップにいる、早く入って突き抜けた8階さんのような人はともかく、後進で参入した割にクリエイティビティがなければお先は真っ暗・・・ってあまりにリアル。各エピソードのイントロで参加者の参加理由をおさらいするところも気が利いてた。

スペインの『プラットフォーム』は何かが気に入らなくて途中離脱したんだけど、何だったっけ。これを見てかなり高いハードルをクリアしたから、また視聴再開できるかも。

逆境に置かれて明らかになる本性、下層階の人たちのほうが良かったのは、社会で成功するには批判に耳を貸さない→他人を道具とみなす&人を人とも思わない鈍感な神経が必要だと言いたいのかな。なんかイカゲームよりリアルで夢がない。音楽の使い方が上手で、最後は寓話的に落とし込んでいたけれど。

原作のウェブトゥーンは3部作だそうなので、どうせならこの作者の描く世界観を最後まで見てみたいと思う。見終わった後で、どの階の人に共感するか、話し合ったらまた面白いかも。
Rocco

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