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アンメット ある脳外科医の日記のaのレビュー・感想・評価

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三瓶先生のファッション好きすぎる、、
と、思ったらガチ私服なんですね???♡

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OP「縫い目」上野大樹
ED「会いに行くのに」あいみょん

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#1
「このことは忘れません。忘れますけど、日記にちゃんと残して毎日感謝します。」「強い感情は忘れません。記憶を失っても、そのとき感じた強い気持ちは残るんです。」「記憶がなくても心が覚えてるってことですか?」「そういうことです。」

「できないことをやれとは言ってません。川内先生の技術や知識で、今できることを提案しています。足りない部分は周りがフォローすればいい。当然のことです。あなたは、障害のある人は人生を諦めてただ生きていればいいと思ってるんですか?絶望してしまうのは仕方ないと思います。でも患者を救えないことより、ご自分の絶望が怖いなら…まぁ、仕方ないですね。」

「川内先生、できます。諦めたくないんですよね?記憶がなくても、あなたが積み重ねてきた努力は身に付いています。昨日を覚えてなくても、あなたが生きてきた日々は確かにあるんです。その自分を信じてください。」

「記憶を失っても、強い感情は忘れません。患者を助けたいと強く願えば、その思いを心が覚えているんです。繋がりましたね、川内先生の今日が明日に。」

#2
「明日も起きたらびっくりするんだと思う。今日のことも記憶障害があるってことも覚えてないから。毎日ね、日記読んでこれまでのことを覚え直すの。亮介くんのことも、毎日覚え直してる。ごめんね。記憶障害の脳外科医なんてあり得ないよね。それでもね、私は医者でいたいと思ってる。障害があるからって自分の人生諦めるのは悔しいからさ。亮介くんも自分の可能性は自分で決めたいよね。」「努力すれば必ず叶うって思ってた。できないやつは努力が足りないんだって、ずっとそうしてきたんだ。でも、左がないのに左を意識しろって無理じゃん。」

#3
「正常化バイアスですね。人間は不都合な情報を無意識に否定しようとしてしまうんです。見ているのに、そんなこと起こるはずがないと思い込もうとしてしまう。」

「確かに私たちは取り返しのつかないことをしてしまいました。でもだからこそ、これからも、きっと先生が辞めてしまえば助からない命も出てきてしまいます。私たちの償いは辞めることじゃないはずです。」

「わかんないよ、三瓶先生信じていいのかどうかも。」「いざって時にわかんじゃない?信じられるのかどうか。だって人を信じるのって理屈じゃないじゃん。」

「私、後遺症を乗り越えることは一生できないと思ってます。でも私は、記憶障害っていう後遺症を抱えることになったけど、それは人生の持ち物が増えただけ。年を取ったら老眼鏡が必要になるみたいに。まぁ増えた持ち物を抱えて生きるのは、ちょっと重たいですけど。私自身が変わったわけじゃないから。変わりたくないですしね。」

「実際のところ、川内先生は手術はできるんでしょうか。」「技術的にはできると思っています。でもそのためには十分な準備が必要です。″心″のね。患者の命を預かっているわけですから記憶障害を言い訳にはできません。不安に負けない覚悟がなければメスを握ってはいけないんです。」

「川内先生は受け入れ要請があったとき、不安な顔をしましたよね。だから反対したんです。あの時の川内先生は準備と覚悟が足りていなかったから。川内先生が毎日手術の練習をしているのは知っています。乗り越えようとしているのよね。私に足りていないのは、あなたたちを信じることかもしれませんね。」

「今回の医療事故は複数のミスが重なって起こりました。一つ一つのミスがまるでスイスチーズの穴が一つに繋がったように連鎖して事故に繋がったんです。まぁスイスチーズも何枚も重ねれば貫通するリスクは低くなります。それと同じように指差し確認、ダブルチェック、何重にも確認することでミスを防ぐ安全システムのことをスイスチーズモデルと言います。あなた方に相談しづらい雰囲気を与えてしまっていた私にも責任があります。本当の安全というのは、仲間を信じて力を合わせることから生まれると私も学びました。ありがとうございました。」

「今日 三瓶先生を見て、思い出した気がしたんです。私には手術ができるって言ってくれたこと。日記で読んだからじゃなくて。私の心は、三瓶先生を信じてるんだってわかりました。」

#4
「彼は軽々しく患者に希望を見せる。危険な医者だよ。」

「医療には法令よりも道義が優先されるべき瞬間があります。僕は確実に剥がせる自信がありました。フィラデルフィアの年間手術件数は日本の約5倍です。8年間で日本の医者の40年分の経験を積みました。」「どんな実績があろうと、勝手に手術に入り込み、診察をしたことない患者の体にメスを入れる。それが無謀でなくて一体なんて言うんだ。自分の腕を過信して好き勝手するのもいい加減にしろ。」「目の前に助けられる患者がいるのに助けるなとおっしゃるんですか?」「助けられるかどうかは賭けだろう。君はいつもリスクを取ってでも強引に完治を目指そうとするが、それで毎回勝てる保証はあるのか。医者は患者の安全を守って良識的な治療をする義務がある。君がしているのは医療じゃない。自己満足だ。」「ではその良識的な治療のために川内先生のカルテを見せてください。」「私が許せないのはもう一つ。安易にご両親に希望を持たせたことだよ。川内先生にしたようにね。」

#5
「専門ばかになるためには、膨大な時間と経験が必要だということです。ましてやそれを全科でなんて、発想が安易すぎますね。」「それは医者の都合だろ。僕は外科医なんでそれ以外わかりません。それじゃ困る患者がいるから言ってんだよ。どんなに優秀でもな、自分の専門しかわかんなきゃ意味ねぇんだよ。」

「私にはわからないんですよ。できるかどうかも。」「今のままでは無理ですよ。だからできるようになるまで練習するんです。あなた できますよ。」

「ママの目が調子悪くなって、病院連れてったの。そしたら眼科で軽い白内障ですねって言われて。だけど眩暈がして食欲がないって相談したら、それはわかんないから耳鼻科に聞いてくれって言われて。耳鼻科に行ったら、異常はないから内科に聞いてくれって言われて。内科に行けば、視力も低下してるなら眼科に聞いてくれ。たらい回しにされて、半年後にママは倒れたよ。そこから何ヶ月もいろんな科で検査して、で結局、多発性骨髄腫だってわかった。それもステージ3。どれも一般的な症状だったから発見が遅れたんでしょうね。まぁ誰も責められないですよって言われて。逆だよな。みんな悪い。そう思ったよ。専門医は自分の領域しか見ようとしない。だから対応が遅れる。だから俺は、全科専門医レベルの知識と技術を持って、どんな病気も見逃さない医者になろうって思ってる。夢物語だって笑うやつは笑わしとけばいいんだよ。」

「成海さんも碧聴さんもいつも立派にされてるけど、そりゃいろんな現実と戦ってる。不安や孤独もあるかもしれない。だから あなたも不安があって当然。大丈夫。私たちはちゃんとわかってますから。だって あなたが私に教えてくれたんですよ。(私たちは1人じゃない。だから自分だけで、完璧である必要はないんです。)」

「毎朝この日記を読んで記憶を確認してから、1日を始めてる。今日は大事な手術があるから、全部読んじゃだめ。他は飛ばして、今日の手術の手順だけ覚える。大丈夫だから。これまでたくさん悩んで たくさん考えて 辛い思いもたくさんしたけど、今は脳外科医としてちゃんと働いてる。一生懸命 患者さんを助けてる。今はそれだけ覚えておけばいいんだよ。」

「全科専門医レベルが果てしないっていうのはわかったよ。でも俺みたいな医者がいたっていいだろ。」「研修医の僕からしたらこの病院って、すっげぇ チーム医療が充実してると思うんですよ。特に救急は星前先生を中心に、各科が連携してスムーズに医療ができてる。つまりは星前先生が目指す全科専門医レベルのことが、医療として実現できてるってことじゃないですか?」

#6
「山本さんの場合は薬で再発作が予防できてますので、会社を休む必要もないんです。」「何かあったら先生が責任とってくれるんですかね?山本さんだけを特別扱いすることはできないんです。」「寧ろ 特別扱いしないでほしいんです。障がいがあるので、できることとできないことの選別は必要なんですけど、できる環境を整えていただければ。」「それが特別扱いでしょう。周りと同じように働けないのに同じだと言い張るのは都合が良すぎますよ。」「特別扱いではなくて、″理解してほしい″と申し上げてるんですよ、さっきからうちの川内は。患者さんが社会復帰してね、一番つらいのは できることさえさせてもらえず、可能性を断たれてしまうことなんです。障がいがある方が働くには周囲の理解が必要です。周りの人間が病気を正しく理解することで、大半のことは解決できるんです。そういう形で社会の一員として迎えてもらえる場所がね、これ必要なんですよ。障害者雇用促進法によって、会社側としても税制優遇などのメリットがあったはずですよね。」

「光を当てると影が出来ます。人間は暗い所に光を当てて、いいことをしたと思ってる。新しく出来た影には気付かずに。アンメット。直訳すると満たされないという意味です。出来た影に光を当てても、また新しい影が出来て 満たされない人が生まれてしまう。どうすれば くまなく照らしてアンメットをなくせるのか。その答えを探してます。」「こうすると、影が消えます。」
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