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ケの日のケケケのmasatのレビュー・感想・評価

ケの日のケケケ(2024年製作のドラマ)
3.5
5分に一度、涙が出る。

「オレも、少し休みたい!」
とその青年は言った。
彼は中学生。
たかだか中学生ごときが何を言ってるのだろうか!
しかし、今この時、疲れに包まれた中学生がいる、という現実を見る。
溌剌と言ったその青年と、その横にいるヘッドホンを付けているヒロインは、マジックアワーに晴れやかであり
「だったら今ぐらい、ご機嫌に休んでいたいだけ」
と結び付く。
中学生が、そんな現実を交歓する時間が尊く響く。それを合図に、抗う訳ではない静かな闘いが始まった。

聴覚を筆頭とする神経・感覚過敏の特性を持つヒロインの闘う相手は、己。自分自身との闘いが、もっともキツい。身を削るように、前を向き、彼女が、ささやかな仲間を作り、
perfect daysを目指すと言うよりは、自然に欲していく物語。

怯み、戸惑い、(受けて立とう!)、そして笑う。あまりにも自然に描かれる、エゲツなく残酷で、美しい世界が目の前に広がった。
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