玉生洋一

ケの日のケケケの玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

ケの日のケケケ(2024年製作のドラマ)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

なんという完成度。50mで様々なものが詰め込まれている。
個々のキャラクターの対立の構図がうまい。

「あんまりだよ」と言いたくなる人もいるが、50mという尺の中で構図をわかりやするするためなのだろう。短いページ数で起承転結を描かねばならないドラえもんと同じキャラの類型化。

理にかなった行動に邁進する主人公の明るさ、希望、挫折、苦悩が過不足なくきっちりと描かれているのがすごい。

自分が苦労して作った同好会を
身勝手な正義で潰した幼馴染の先輩が
いけしゃあしゃあと話しかけてきて
美しい言葉(先輩自身の中でだけでの真実の言葉)を語っても
文句を言うわけでもなく、先輩を責めるでもなく、
先輩に寄り添う話し方をする男の行動がすばらしかった。
普通の物語展開なら文句や嫌味を言う場面にするだろうし、
自分だったら「先輩にはあいつや俺の気持ちなんてわかんないんですよ!」と感情的になってしまいそうだと思った。

生徒会の妨害を受ける同好会の話は数あれど
生徒会長になってしまおうと考える展開は少ないので文句なしにスカッとした。

影が邪魔と告げて生徒会長の心を一瞬でつかむ場面もおしゃれ。

※2024.5放送の完全版?を視聴。