MikkoIchitani

生きとし生けるもののMikkoIchitaniのレビュー・感想・評価

生きとし生けるもの(2024年製作のドラマ)
3.5
なんのために生きるのか、どうして生きないといけないのか。余命いくばくもない末期がん患者と人生に絶望した医師の人生最期の旅。

さすが世界の渡辺謙。成瀬の人生やここ数年の闘病生活が見えるような所作が素晴らしい。妻夫木聡もぼうや先生というなにぴったりな優しくて、純粋すぎるキャラクターがはまってた。ところどころハッとさせられる台詞もあり。

尺の問題だが、旅にでるまでが早いというか、佐倉のバックボーンの描写が少なくて感情移入が難しかった。泣くのが早すぎると思ったけど、心療内科に通っていたという話から感情のコントロールができなくなった人物として見ていた。

ターゲットを意識してなのかもしれないが、絵作りや音楽のテンションに古さを感じ、もったいなかった。どこかで聞いたことのある台詞も多かったけど、案外人間は極限の肉体や精神になると記憶に染みついたセリフを言ってしまうのかもしれないから、あながちリアルなのかもしれないな。