長内那由多

シュガーの長内那由多のレビュー・感想・評価

シュガー(2024年製作のドラマ)
5.0
E1
ええわー。人情派シネフィル私立探偵にコリン・ファレル。久々の二枚目路線。いい酒を美味そうに飲む。ハードボイルドが好きで何が悪い。監督はフェルナンド・メイレレス。『シティ・オブ・ゴッド』の衝撃から早20余年。前作『2人のローマ教皇』から力が抜け、洒脱になった。

E4
E3“渋谷の交差点”もそうだが、世界の美しさを問われてパリを引き合いに出す主人公は、フィルムの想い出だけで世界を見ている。「あなたのことは昔TVで見てた」とここで『ブレイキング・バッド』アンナ・ガンが登場。フィルムノワールが1話約30分のTVシリーズとなってコクを得ている。

ところでシュガーは東京出張中はどこの名画座行ってたんだろ。気になってしょうがない。

何がいいって“映画についての映画”とも“映画愛モノ”とも違って、映画と共に生きている者が世界をどう見てるかっていうことをTVシリーズでやってることですよ。

E6
いったい何が起きているんだ?????

E7
先週のあの一件以来、視聴者はこれまでと同じように世界を見ることはできず、あらゆる場面が可笑しくて可笑しくてしょうがない。なんだこのドラマ!

完走
愛すべきコリン・ファレルと、抜群のユーモアセンス。この青い星に生きるなら、LAで私立探偵をやらなきゃつまらない。ハードボイルドの韻を踏みながら、最終回は撮影も劇伴も未知の領域に到達。1シーズンでこんなに遠くまで来たTVシリーズも珍しい。とにかく、可笑しいったらないのだ。
長内那由多

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