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南くんの恋人~my little loverのニジムのレビュー・感想・評価

南くんの恋人~my little lover(2015年製作のドラマ)
3.3
幼馴染みでかつては初恋の相手同士だった隣に住む南くんとちよみ。二人とも同じ高校の三年生だが方や勉強熱心な優等生で医大志望、方やダンスに夢中で親が勝手に大学進学を勧めてくることに反抗的。ある日親と喧嘩したと愚痴ると、冷ややかに嫌味を言われてしまう。なんでこんなに仲が悪くなってしまったんだろう。

それは、かつての南家の出来事が大きく影響していた。
そんなある日、ちよみはいきなり小さくなってしまう。助けを求めたのは南くん。かくして奇妙な同棲生活がスタートする。

内田春菊の原作漫画は読んでいて、かなりあとになってから出た南くんが小さくなってしまう『南くんは恋人』も読んでいる。(石田ひかりのも確か観ていたし、)武田真治のドラマも二宮和也のドラマもリアルタイムで観たが、さすがにこれはノーチェックだった。このシチュエーションって、作ってみたくなるんだろうな。

さすが一番新しい作品なだけに動画の合成技術はかなり発展していて違和感が少なくなっている。南くんの掌に乗る裸足のちよみの足が着地する効果音もちゃんと付いている。ストーリーもかなら無理なく改変していて、二人の距離が開いた理由やその後二人が心を通わせ素直になる過程も案外丁寧に描かれていて、かなり気を遣ったんだなあと感じる。南くん役の中川大志があまりにも芝居が上手くて、ちよみ役の山本舞香が悪目立ちして可哀想に感じた。彼女も悪くはないはずなのに。脇を固める大人たちもよかった。

しかし、クラスメイトでちよりに横恋慕する高木陸は、正直キモいぞ。ちよみに粘着してるし、後半精巧な自作ちよみフィギュアを胸ポケットに入れているのもキモ恐ろしい。もうちょい南くんのライバルとしての力量を与えてほしかった。かれではただの当て馬だ。

ラストは、告知されていたらしいがかなり改変されている。それによって視聴書のあって欲しい結末となっているのだけれど、やはりオリジナルのあの感じが忘れられず、同じ材料を使いながら全然別物だと感じてしまう。
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