はぎ

フォールアウトのはぎのレビュー・感想・評価

フォールアウト(2024年製作のドラマ)
4.7
あの有名なゲーム、falloutをドラマ化。核投下後のアメリカを描く終末ものドラマ。

最近はゲームのドラマ化が流行っているが、しっかりと脚本が出来ており満足感を覚えるドラマが多い。なおバイオハザードは...

まず映像技術がすごい。CGで作られた風景は言わずもがな、小道具やセットも細かく作られている。近年はLOTRやホイール・オブ・タイムといった作品を作っているAmazon。映像技術でいうとHBOと同等かそれ以上である。
また音楽も1950年代(?)のもの。舞台が核戦争後なので、第2次世界大戦後に合わせたように作られ、作品と調和し引き締まっている。
8話で濃縮されたストーリー構成だったこともあり、たれることなく終了。かなりの良作である。

核投下後、地下シェルターボルトで暮らすようになったルーシーや家族。ある時突然シェルターが襲われ、父が拉致されてしまう。父親を探すためにルーシーは地上に出て、地上の現実を目の当たりにしてしまう。
地上ウェイストランドは放射線による影響を受けた人間グールや生物が多く存在し、住めるような環境では無い。その中でBOSといった組織もあり、目的をもって動いている。

この物語はルーシーの探索、マキシマスの苦悩、グールの過去、ボルト33の闇の4視点から描かれる。設定がかなり細かくやはり核投下ということがかなり深く関わってくる。特にグールは重要。なぜ人を襲い続けるのかという理由がようやく最終話で少し明かされる。
また人間の尊厳というところをかなりみせてくる内容である。極限状態であれば人間はどのような行動でも起こすということが描かれ恐怖感が増す。現に33や4のシェルターの人間の狡猾かつ冷酷さというところは現代でも日々起きている。

好きなキャラクターはノーム。本人は臆病だからといっているが、決してそのような訳ではなく、作中で自ら動いてシェルターの裏社会を暴こうとする姿勢を応援してしまう。

とりあえずは使用方法無限大の核、父の裏の顔など明らかとなり、最終話通りこれからがはじまり。シーズン2に更新されたし楽しみである。

しかし兄はオッペンハイマー、弟はフォールアウトとなんという縁。どっちも核を描くとは...
ちなみにジョナサンはウエストワールドの作製にも関わっていることから、半端なく難解な作品になっていたらと不安だったが、シンプルな作りになっていて安心した。
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