このレビューはネタバレを含みます
シニカルで軽快なコメディタッチで始まり、だんだんと真に迫っていく感じが、観やすくて楽しめた。
マーサへのドニーのどっちつかずの態度がイライラさせるのだが、単に好奇心旺盛すぎるのかと思いきや、ドニー自身の辛い過去の回想や内省に入っていき、謎解きも丁寧にされていくので、非常にわかりやすい。そして、男性が性被害に遭ったということ、それに承認欲求を利用されてしまったこと、なかなか簡単に自分では認められないだろうことに向き合って、周りの人にも伝えていく様は、ひとつのモデルケースとして機能する価値のあるものじゃないかと思う。
両親が受け入れてくれる人たちで、主に父親に非難されないところが良かったし、現代っぽいなあと思う。良いことだ。
男性も女性のレイプ被害者とほぼ同じような状態になる(人もいる?)ことを知れたので勉強になった。
マーサの問題よりもドニーの問題が主なので、マーサの物語も別の機会に知りたい。
これは『I MAY DESTROY YOU』の男性板なのではないだろうか。
どっちもイギリスだし。