シャークウィザード

初恋ハラスメント~私の恋がこんなに地獄なワケがない~のシャークウィザードのネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

Xの公式アカウントが不穏、番宣CMに一瞬差し込まれた人の顔、意味深な縦読みで話題になっていたので興味を持って視聴。
ベタな恋愛ドラマかと思わせて、ハラスメントによる恨み、呪いがドラマを侵食していくというモキュメンタリーで驚いた。
菅沼、忘れられないインパクトを残していった。
最初の撮影シーンから菅沼がいじめられるシーンが映ってるし、ノイズは入るし、遺影は置かれてるし、違和感だらけ。
画面に一瞬表示されたお守りのマーク、「呪ってやる…」の声でワクワクした。
転職前と後で主演女優の印象が変わり過ぎて別人かと思った。
よく見ると後ろに菅沼。紛れ込んだ菅沼を探せといった感じで面白くなっちゃってる。
回想シーンで主人公が先輩に思いを寄せてるのは分かったけど、一方的な好意で先輩は在学中に主人公の事を全く知らないということでOK?入部届を持っていたけど吹奏楽部に入部したようには見えなかった。先輩の卒業式で手紙を渡せなかったシーンがあったけど、先輩が全く声もかけなかった事から先輩は主人公を知らないんじゃないか。部員でもないのに先輩を見ようと音楽室を覗いてたシーンが怖くなった。
次第に菅沼の怨念が強くなっている。監督、女優への恨みは撮影風景からも分かるが、直接「呪ってやる…!」と声をかけるからわかりやすい。
キラメイレッドの小宮くんはハラスメントに加担しない正しい人間で安心した。
先輩も好きなサックスは才能がないと心無い言葉を浴びせられ、会社ではハラスメントを受けていたと判明。だけどハラスメントの被害者だった先輩が今は加害者となって新たに人を苦しめてる点で擁護できない。この問題の根深さを感じた。
主人公が素早くデータ入力をして周囲から注目されるというシーンでアップになった顔を乱すというのが小学生みたいな嫌がらせで笑っちゃった。
窓ガラス、いや画面が真っ赤に。
チラッと映り込んでるどころかガッツリ共演してるじゃん!
先輩が頬を叩くと同時にディスプレイにパッと映るの面白過ぎた。
菅沼の首に赤い線が入ってるってことは、首つりか…。
先輩がハラスメントで謹慎した事について、「誤解です」と言っちゃう主人公、恋は盲目どころか記憶喪失か?
取引先からのハラスメントに対し、菅沼を始め恨みを残していった人たちが次々と登場。しかし絵面がどうも面白いんだよな。
主人公がハラスメントを悪と言うシーンで「お前が言うな!」と思ったら菅沼も言ってくれた。
謹慎中の先輩が取引先に来る、取引先にはビンタと脚本滅茶苦茶じゃねーかと笑みがこぼれた。
面白かった、菅沼凄かったなと思ったら最後に見てたこっちまで呪ってきた。反省します。
まあ実際あのようなハラスメントが許される時代じゃないと思うし、ハラスメントが公然と許されていたのがおかしい。その時代が素晴らしいかと言えば全くそんな事はないわけで。
ハラスメントに苦しんだら呪うのではなく、相談する、しかるべき場所にかけこむ、ルールにのっとって対処するという事が大切だと改めて思った。
加害者を呪ったところで向こうはどうせ忘れてる。
制作側の発想、宣伝手法が見事。