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下町ロケットのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

下町ロケット(2015年製作のドラマ)
5.0
元宇宙科学開発機構の研究員で、現在は父親が遺した下町の工場で経営者として第二の人生を送っている佃航平(阿部寛)。 
年頃の娘・利菜(土屋太鳳)との仲は多少ギスギスしているものの、経営は順調で次第に業績を上げていく佃製作所。 
しかし、あきらめきれない自分の夢であるロケットエンジンの開発に力を入れすぎ、少しずつ業績は下降気味に。 
ある日、大手取引先である京浜マシナリーから突然取引中止を宣告されてしまう。大口の取引先を失い資金繰りに窮した佃は運転資金を確保するため、経理部長の殿村(立川談春)とメインバンクである白水銀行へと向かうが、銀行からは実用の目処が立たない水素エンジンを継続して開発していくのであれば、新たに融資をするのは難しいと言われてしまう。 
メインバンクからの貸し渋りを受け、途方に暮れる佃たちであったが、そこに新たな問題が。 
なんとライバル企業のナカシマ工業から特許侵害で訴えられてしまったのだ。清廉潔白の佃製作所ではあるが 、 大手企業から訴えられるという事実により評判は地に堕ち、銀行からの融資も絶望的な状態に。 
佃製作所の技術が狙いであるナカシマ工業は姑息な法廷戦略で裁判を長引かせ、じわじわと体力を奪っていく。 
そんな中、日本を代表する大企業・帝国重工は純国産のロケット計画にまい進していたが、 自社で開発したバルブシステムが、佃製作所が所持している製品特許に触れるものだと判明。 何としても、バルブシステムの問題を解決しなければならない宇宙航空部の財前部長(吉川晃司)が取った行動とは、佃製作所のバルブシステムの部品を自社開発のロケットに使用することだった。佃製作所を見学した際、佃製作所の技術力の高さに惚れ込んだ財前は、佃製作所の部品提供を決め、佃製作所は息を吹き返した。
第2部ガウディ編では、佃製作所とサヤマ製作所の心臓人工弁ガウディの開発競争が描かれる。
池井戸潤の小説をドラマ化。
夢を追うことと企業競争に勝つことの両立に苦闘しながらも、自社の技術力を武器に中小企業が大企業に打ち勝つ展開は、中小企業の町工場こそが日本の生命線でその職人魂が日本の誇りだという池井戸潤のメッセージが込められている。
佃を中心にした佃製作所の団結力、佃と財前のロケット開発に夢を託す者同士の男の友情、ロケットのバルブシステムの部品コンペでの佃製作所とサヤマ製作所の対決、熱い感動を呼ぶヒューマンドラマ。阿部寛、吉川晃司、安田顕、立川談春、小泉孝太郎の力演が、印象的。
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