明石です

ジョーイ<セカンド・シーズン>の明石ですのレビュー・感想・評価

3.2
18の頃から毎日のようにフレンズを見、いまではもう15周ほど見てしまいさすがに飽きが近づいてきた(まだ飽きてはない)ので、フレンズ唯一のスピンオフ作品『ジョーイ』をシーズン1から続けて視聴。

単刀直入にレビューすると、シーズン1に比べて面白さが半減、というか半減以下になっている。これははっきり言って残念。。あのジョーイ(マット・ルブラン)を正式起用しながら打ち切りになるのも当然としか言いようのない出来でした。シーズン1は、調子の良い回はフレンズよりも面白くて、ゲラゲラ笑いながら見ていただけにほんとうに名残惜しい。

そもそもこのドラマの面白みは、超お馬鹿キャラのジョーイと、ジョーイに引けを取らないお馬鹿お姉さんジーナの2人が際立っていて、そこに真面目カタブツ弁護士の隣人アレックスと、ビッグバンセオリーに出てきそうな天才インテリ青年マイケルが加わることで、コメディとしてのバランスが絶妙に取れていたこと。お馬鹿すぎず賢すぎず、ボケるところはしっかりボケてツッコむところはしっかりツッコむ。どの層にもちゃっかり受ける、これぞフレンズのスピンオフに相応しい作品!、、とシーズン1までは思ってました。

ところがこのシーズン2では、まさかのアレックスとマイケルまでがお馬鹿キャラになりさがっており、さらにはシーズン1では脇役だったキャラ濃すぎエージェントがその地位を上げ、そしてダイバーシティ確保のために入れたとしか思えない謎の黒人青年が不要な存在感を放ってしまってる。まあこの二人は好き好きとしても、アレックスとマイケルの真面目コンビがお馬鹿化してるのはさすがに致命的ですね。全体通して、全員が全員間が抜けている陳腐なドタバタコメディになっていて、しかもネタが全然面白くないときてる。シーズン1でレギュラーメンバーの四人が大好きになりつつあっただけに、まさかのシーズンを跨いだら皆別人に成り果ててるのに寂しさを禁じえなかった。

というかそもそも面白い面白くない以前に、前シーズンで丹念に作り上げたキャラクターをぶち壊しにするのは根本的な脚本のレベルとしてどうなのよと思う。それと何エピソードを経てもザックのキャラにいっこうにハマれなかったのは私だけではないはず。見てる側が概して誰も好きになれないようなキャラを容赦なくゴリ押ししてくるところにこのシットコムの根本的な失敗がある気がする。(テコ入れのためか、後半でザックをバッサリ切ったのは英断でしたね。会話の掛け合いにユーモアを発揮する本来のシットコムにずっと近づいた感じがしました)。

シーズン1では節々で感じられた会話内のウィットがほとんど枯れかけ、かわりにキャラに大声を張り上げさせたり大袈裟な動きをさせて見せたりと、何も無いところから強引に笑いを引き出そうとする浅い意図が見え見え。ラフトラックで収録されている観客の笑い声も、はっきりそれとわかるほどに苦笑の色が混じってしまっている。はっきり言って、脚本のレベルが、というより脚本家の知性が3目盛分くらい落ちてますね、、だからこそシーズン1では知性が持ち味だったキャラをもお馬鹿にしてしまうしかない(インテリキャラのマイケルの出番がほとんど無くなり、痴呆キャラのザックが影を濃くしたのが何よりの証拠ですね)。筋肉のない人にボディビルダーが務まらないように、知性のない人にウィットに富んだ脚本は書けない、、まあ仕方のないことだとは思うけど。

長年のフレンズファン、ひいてはジョーイ・トリビアーニの大ファンとして言わせていただきたいのですが、このシーズン2は本当に残念でした。期待はずれや肩透かしという言葉では収まらない、じつに残念としか言いようのない幕切れです。
明石です

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