★ イマジネーション!
光あるところに闇もあり。
宵に浮かぶ月の下で踊るは哀しみのポルカ
横浜流星さんのデビュー作。
…と今では言われてしまうのでしょうか。実際は、空手の蹴りが鋭くても存在感は薄く、トカミオ(2号と3号のカップル)の陰に隠れてしまった印象が強いのですが…いやぁ。人って成長するんですね(何様)。
でも、それは作品の趣旨でもあるわけで。
舞台の中心に据えられた“想像力”というキーワードと、主人公5人が探し求めた居場所。そこに至るまでの道筋で彼らは成長する…そんな物語でした。
だから、正直なところ。
子供よりも親の方が響く作品です。お恥ずかしい話ですが、愚息と一緒に観ていて僕が涙腺崩壊。終盤なんて、着地点が気になり過ぎて日曜日の朝は落ち着きませんでした。
これは偏に脚本が素晴らしいから。
さすがは小林靖子さんですね。傑作として誉れ高い『ジョジョ』や『進撃の巨人』のアニメが成功したのも、脚本のお陰と言っても過言ではないくらいに…熱い筆致が素晴らしいのです。
何よりも、敵方が最高。
悪の親玉である《ゼット》が求めるのは“キラキラ”。その複雑な立ち位置を考えると(子供は考えないでしょうが、大人は複雑な思いになる)主人公たちよりも着地点が気になる存在ですし、幹部連中も見事な造形と立ち位置。最後の最後までハラハラドキドキが止まりませんでした。
ただ、対象年齢は未就学児ですからね。
感情表現に深いものを求めてはいけません。ケンカしていても、謝ればすぐに仲直りなのです。
また、ロボットなどの特撮表現も最低限。
この辺りは生温かい眼で見守るが吉。大切なのは、彼ら(主人公だけではなく敵も含む)が何処に向かうのか。モチーフが列車の戦隊だけに、終着駅を考えながら鑑賞すると面白いです。
まあ、そんなわけで。
出来ればネタバレを読まずに鑑賞したい戦隊ヒーロー物語。全47話と長丁場ですが、ポップな表現と変化球を取り混ぜた展開は、なかなか飽きないと思います。
YouTubeでの配信も決まったそうなので、これを機会に如何ですか?