荒野の狼

猫侍 シーズン1の荒野の狼のレビュー・感想・評価

猫侍 シーズン1(2013年製作のドラマ)
4.0
一話30分の全12話のテレビシリーズであるが、コマーシャルやタイトルを除くと、一回分は短いので、全編を見るのに半日もかからない作品。主演は北村一輝で、生まれつき“怖い顔”の侍という設定で、劇画から登場したかのような硬派な浪人ぶり。外見はコワモテで喜怒哀楽を見せない(というより常に怒っている顔)なのだが、内面の裏腹な心情が、随所で語られ、そのギャップが楽しい。この北村が白猫の玉之丞を隠しながら飼うハメになることから物語ははじまる。
玉之丞は、あまり動きはなく、ことさらな活躍はしない(周りの人間は、大立ち回りをするのだが)ところが、かえってリアリティを持たせている。猫は三匹の猫を使用しているためか、“猫役者“の違いが、ときに表情の違いや体の太り具合などからわかってしまうのはご愛嬌。3匹とも日本猫の美猫で、白猫が好きという人には、とくに演技の必要もなく、出演シーンだけでも満足感を与えるほど。
ただ、ドラマでは、きわめて大人しい猫で、風呂に入れても暴れず、いたずらはお漏らしが2回と北村が作った傘に足跡をつけたくらい。もう少し、猫らしいシーンがあってもよかったのではと思うのは贅沢か(たとえば、ネズミを捕獲してくるとか。ちなみに、番組中で、猫舌なのは、北村のほうで、玉之丞は熱い汁でも平気である)。
他の出演者でよいのは、北村の回想シーンで現れる別居している娘ハルで、短いエピソードの演技は健気、猫専門店「猫見屋」の女主人の高橋かおりは、肩の力が抜けていてよい演技。
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