めしいらず

深夜食堂のめしいらずのレビュー・感想・評価

深夜食堂(2009年製作のドラマ)
3.0
お話自体は正直ベタなものだと思う。その店の中で語られる様々な人間関係の浮き沈みも、その店で供される食事も、実にありきたりなものではあるのだけれど…。夜までならどうと言うことのない筈の人間ドラマも、特別でない食事も、真夜中から朝方にかけての時間帯だと何故だか妙に沁みてくる。うらぶれた風情にしんみりさせられてしまう。そしてどうしようもなくお腹が空いてくる。多分ずっとこれからも変化しないだろう人間の根っこのしょうもない情動を飾り気なく見せているからなのかも知れない。その人となりを形作ってきたものを彼らが求めた食事に感じられるからなのかも知れない。自分の悩みを誰もが特別視してしまいがちだけれど、概ねいつの時代のどんな人のそれも実はそんなに大差ないのではないだろうか。そんなことをつらつらと思う。夢が叶うことで失うものを描いた「猫まんま」「タマゴサンド」回が印象的。情感たっぷりのオープニング曲も実に味わいがある。
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