高坂凪穂

ミス・パイロットの高坂凪穂のレビュー・感想・評価

ミス・パイロット(2013年製作のドラマ)
3.5
 日本のドラマのセオリー通り、現実世界では有り得ない登場人物やシチュエーション、御都合主義の連発、しょうもないドタバタ、恋愛ドラマではないのに何かとストーリーに恋愛を絡ませたがる、ド天然で未熟なくせに上司に楯突いてくる主人公にイライラと、ストーリーやキャラは×ですが、ディテールを観るのは面白い。為になる蘊蓄や心に沁みる名言がちょうど良いタイミングで折り込まれているのです。
 「航空会社の自社養成パイロット」というテーマの目の付け所も良い。中々観られない貴重な映像が次々出て来ます。次回予告に「このドラマはフィクションです。」「実際の訓練とは異なる部分があります。」と書かれていましたが。

 第3話は、傑作ドキュメンタリーシリーズ『FLY!FLY!FLY!』の『飛行機の墓場 モハベ空港』『空港で働く人 グランドスタッフ』を題材にした、完成度が高い感動作。
 第4話の山田一男が「あれ凄かったわー、34,000フィートから見た日本、正に地図そんままって感じやったな」と言っていたが、秋本俊二氏の『飛行機はなぜ、空中衝突しないのか?: 驚くべき航空管制のすべて』では、「高度をどれだけ上げたところで旅客機が飛ぶレベルでは日本列島全体を見わたすことなどできない。」(P.154)と書かれていましたが。
高坂凪穂

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