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デクスター シーズン4のTLsのネタバレレビュー・内容・結末

デクスター シーズン4(2009年製作のドラマ)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

 デクスターに大きな転機が訪れるシーズン4。これまでと同様デクスターとは別に名前付きの連続殺人鬼が登場するがこの「トリニティ・キラー」が非常に良いキャラクターだった。正直このドラマの設定は飽きが来るのが早いと思うがこのような新キャラが視聴継続させる秘訣なのだろう。

 この「トリニティ・キラー」は30年間アメリカ各地で殺人を繰り返していた人物であり、序盤ではS2に登場した元FBI捜査官ランディが再登場し、彼に一種の神話性を持たせていた。さらに最初の殺人シーンやシャワーのシーンであったりと彼を不気味に描くことによってその神話性に説得力を持たせることに成功している。しかし、デクスターが彼が家庭を持っていることを発見すると一転して親和性を感じさせ、デクスターの師匠的な存在として描く。しかし終盤になるにつれて彼が持つ真の異常性、そして犯行動機を描くことにより、いつものデクスターらしい展開に持っていく。この3段階の描き方の変化がこの殺人鬼を興味深いものにし、シーズン4というマンネリを感じやすくなる場面で視聴者を飽きさせないようにしている。

またデクスターの父親としての新生活が始まるシーズンでもあり、彼がその多忙からミスを犯すのも話の展開としては非常に面白かった。OPのセルフパロディを用いた表現も彼が疲労困憊というのが伝わってきて良い。ただ、そろそろ設定に無理が生じているというか都合が良すぎるというか、このドラマの醍醐味として大きいのが主人公が送る二重生活にあると思うので、ここまで周囲にバレないとなると少しスリルが減っているように感じた。やはりS2でその展開をしてしまうのは少し早すぎた気もする。ただし、そのような展開を「トリニティ・キラー」を用いて代替的に展開させることによって少しは視聴者にこのような二重生活のスリルを感じさせているので、そこまでマイナスに感じることはなかった。

S4まで見てきたがこの「トリニティ・キラー」というキャラが非常に良かったので最後まで楽しんでみることが出来た。実はこのレビューを書いているときにはすでにS5を見終えているのだが、ここでS4の魅力を再確認できてよかった。
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