MIDORI

ブルーブラッド ~NYPD家族の絆~ シーズン9のMIDORIのレビュー・感想・評価

3.5
全体的には面白いシーズンでした。

本部長周辺は相変わらず市長周辺や知事、検事局、新たなデモ隊と揉めまくっていて、ダニーは宿敵デルガドが再び登場、エリンは検事局で昇進して部長に、ジェイミーは巡査部長試験を一位通過して問題だらけの分署の巡査部長として勤務。

特にジェイミーの荒れた分署改革物語は、日本人が大好物の熱い教師がヤンキー生徒の心を入れ替えさせて、素晴らしい生徒に成長させるアレに似てました(笑)ジェイミーの上司まで「チクリ屋は許さない」とかいうヤバイ人で、パトロール警官たちもロッカールームで喧嘩したり、制服を着崩したり、とにかくヤバイ人だらけ。でもケンカした人たちをジェイミーが元々所属していた厳しい分署に異動させて、ジェイミーがいた部署からエディも含む真面目な警官たちを荒れた分署に異動。ヤバイ警官と真面目な警官を組ませたり、本当に手に負えない人のときはジェイミーと強制的にパトロールを組まされて、ジェイミーがだんだん尊敬されていくストーリーは面白かったです。

検事局で昇進して部長になったものの、地方検事と他の検事補やアンソニーなどのエリンの部下たちと板挟みになり、さらには地方検事に近い存在の検事局の人として、今まで以上に市警と対立することに。検事局のスポークスマン的立場から、本部長との対立シーンはこれまでのシーズンに比べてかなり増えましたが、これがジェイミーの分署改革物語の次に面白かったです。

ダニーのほうは、ついに3シーズンに渡って登場する宿敵が現れて、デルガドとの戦いが続きました。ただ、このシーズンのダニーはこれまで以上に無鉄砲だった印象。あまりダニーの良さが発揮されていなかったのは、やっぱりリンダがいなくなってしまったからなのかなと。ジャックも大学に進学して家を出てしまい、寂しさのあまりショーンが学校をサボって飲酒して捕まったり、事件以外にも家庭でもとにかく大変そうだったダニー。エリンと喧嘩しまくっているのは毎シーズン(というか毎エピソード?)お馴染みですが、ジェイミーと裁判沙汰になったときは、流石にダニーの身勝手さに呆れた。あれはジェイミーが正しかったけど、ダニーも折れないから裁判になり、最後はヘンリーがキレて終了(笑)あとは、ナイフで刺されそうになって正当防衛で撃ったら相手が死んでしまい、死んだ子の親に責められるダニーは可哀想だった…殺されそうだったから身を守っただけだけど、息子たちと近い歳の子を射殺してしまったショックで病んでるダニーの姿が辛い回でした。

本部長周辺は新たなデモ隊が出てきてその退治に苦労していたり、州知事との戦いはエリンを巻き込んでより複雑に。州知事役のデイヴィッド・ザヤスはデクスターのエンジェル役で有名ですが、エンジェル役のときはその名に相応しいとにかく優しい人を演じていましたが、このドラマでは自分の目的を果たすために手段を選ばない知事役で出ています。この演技のギャップが凄すぎて、やっぱり俳優は凄い…ってなります。エンジェルのときの、あの天使のように優しい目と、州知事の狙いを定めて確実に取りに行くときの目が違いすぎて、この人のシーンだけでも見応えアリ。あとは、警官であるゴームリーとベイカーと異なり、広報担当のギャレットは、警官としての経験値がないため、3人でよく揉めたり(笑)特に序盤のエピソードであった、避難訓練の回が面白くて好きです。シーズンを重ねるごとにベイカーもどんどん強気になって、ズバズバ意見を言うようになったところが面白い。

レーガン家の一員になったエディも登場回数がグンと増えました。ジェイミーと婚約前はエディが追いかけてる感じだったのに、婚約したらジェイミーがベタベタで、エディを分署に異動させたり(一度エディは異動を断るものの、荒れた環境でジェイミーに反発する危険な警官たちを止めるために異動)、エディがおとり捜査に参加することになったときは心配でおとり捜査を邪魔したり、“ジェイミーどうした!?”ってなりました(笑)案外エディのほうが肝が据わっていて、レーガン家の日曜の食事会でも堂々と立ち向かっていたし、エディならあの家でも大丈夫だと思いました(笑)エディの母リーナがかなり強烈な人で、たじたじの本部長が面白かったです。

いつもならシーズンフィナーレが結構ハラハラドキドキの面白い仕上がりなのですが、今回はジェイミーたちの結婚式エピソードだったので、これまでに比べるとマイルドすぎたかも。そこだけがこのシーズンで残念だったところ。
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