せったろ

クレオパトラな女たちのせったろのレビュー・感想・評価

クレオパトラな女たち(2012年製作のドラマ)
2.9
視聴率はそこそこだったのに諸事情で10話予定が8話に打ち切りなったドラマと聞いて。Huluの無料期間で見れたのでようやく視聴。

ところどころは面白かった。
医療もののドラマって散々やり尽くしてる中でも美容整形ってジャンルは珍しい。
手術内容とか新鮮で興味深く見れた。ちょっと古いドラマなので今はもう少し進んでいるんだろうな。

整形したい人間の悲喜こもごもや欲望が面白い。
二重になりたくて自らの瞼に接着剤を塗り失敗する小学生。
とにかく嫌いな双子の姉と違う顔にしてくれと懇願する女性。
充分すぎる美貌のため生きにくいから親しみの持てる顔になりたい美女。
なんの為に整形するのか、整形した事によってどうなるのか。
あとは意外と依頼を断るパターンも多くてびっくり。まあでもそんなものか。
美容整形外科の立場と理念が描かれててそこはとても良かった。
しかし女性の醜さや欲望を描いているようで、男性の醜さもきっちり描いていてその辺もテーマの一つになっていたのかな。

ただ主軸の不倫の話がイライラして見てられない。特に主人公の父親。あんなお花畑みたいな思考のオッサン誰か張り倒せばいいのに。
佐藤隆太演じる主人公も根はいい人ではあるんだけど色々無神経でムカつく。友人とか同僚にあたるのはまあ置いておいて、術後の患者さんにコンプレックス炸裂させるのは医者としてサービス業としてどうなの。なのに「俺は男だから女みたいに炸裂しない」みたいな事抜かしててどの口が言うのか。あと怒鳴らなくていいシーンでも怒鳴るのはやめて欲しい。

最初はちょっと嫌いだった北乃きいのナースは凄く良かった。この子はなんだかんだで肝が座ってるししたたかだし強く生きて欲しい。
余貴美子さん演じる院長も格好良くてどっしり構えてて理念があってめっちゃ好き。

特筆すべきは綾野剛演じる主人公の同居人。また繊細で難しい役をやってるな。
しかし金のない主人公を居候させてあげるゲイの友人っていう設定時点で正直オチは読めてた。
しなやかで強くて優しすぎる。どうにか幸せになってくれ。

最終回の「どんなに頑張ってもダメな時はダメ」ってセリフはドラマの打ち切りに掛かってるのかな。あのシーン無理やりだったし。そこはちょっと面白かった。

総評として、まあ面白かったんだけどイライラさせられる部分も多かったので評価は低め。
美容整形に興味あったら見るといいかも。
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