Qちゃん

ボルジア家 愛と欲望の教皇一族 セカンド・シーズンのQちゃんのレビュー・感想・評価

4.3
みんながみんな各方面で堕ちるとこまで堕ちてきてて、世界と個々人の闇の深さにビビる。

チェーザレ基本むっちゃ良い兄貴。今シーズンの髪型ヤだけど。2度目のローマの危機回避、度胸あんなー。智略の英雄。謀略から拷問から闇討ちからなんでもござれで次のシーンで緋色の枢機卿服来てスンと立ってるの失笑ものだわ。しかし、愚かなのに父から愛される弟への嫉妬と軍人になる野望があれ程真っ直ぐで重いのか。

サヴォナローラ、前シーズンではまあこんな人出てきても仕方がないバチカンの腐敗具合だと、初めてこの人に対してポジな気持ちを抱いたりもしたが、やっぱりダメだわ。極端なんだよ過激派は。純真な子供たちの利用に魔女狩りに、もう最悪。花のフィレンツェが史実で想像してた通りの地獄に、狂信的なテロリスト集団に成り果ててる。

ローヴェレ枢機卿、ひたすら不憫極まりなかったが、いろいろあり過ぎてもはや海千山千の殺し屋みたいになってる。失笑 こいつもほんま手段選ばずやな。

ロドリーゴの色欲モラルが崩れまくり。だが、少なくともこのドラマでは意外とローマの平民の暮らし見て変革しようとしたり、己の危険を顧みず人命救助に奔走する真摯な姿に驚いた。なんなら他の枢機卿たちよりずっとまともじゃん。有能なら女性も重用するし。てかジュリアファルネーゼはじめ女性陣がめちゃくちゃ優秀だな!

2シーズン見て実感したのは、ボルジア家が特に悪徳で狡猾だったというより、そもそもスペイン出自の一族に対するイタリア内での異国人&異教徒としての差別が手酷くて、そこで成功するために、狡猾にならざるを得ず、時には手段を選ばず踏ん張るしかなかったという過程があっての現在の彼らなんだろうなという様相。

本当に頼れるのはボルジアの名で繋がった家族だけ。そんな状態だから、兄弟の絆が歪み、完全に崩れ去る本シーズンはなおのこと、ボルジア家の崩壊と没落を不穏に予見させる。

カタリーナ、どう描くかと思ったら、まあイメージ通りの強者。チェーザレとの事も期待を裏切らない。が、ここでフォルリ攻略にホアンを持ってくるか。てかホアンが極悪非道すぎてドン引きですわ。出たあの有名なシーンでまさか涙ぐむとはな。

話進むごとにホアンのヤバさが際立ってきた。チェーザレ同様、今シーズンの見た目きったねぇなぁ。。ホアンは、自分の出来が悪いの薄々分かってて天性の身分でしか自分の価値を確立できないっていう、いわゆる右翼系の白人至上主義者のソレとおんなじ病気ですわね。

ホアンとの確執といえばチェーザレだと思ってたから、こんな形でルクレツィアに憎悪が生まれると思ってなくてちょっと面白かった。けど、あの明るく無邪気に可愛かったルクレツィアがどんどん闇キャラに。。涙

シーズンクライマックスの件、ジェレミーアイアンズの演技がほんと迫真。。ズタズタになって、魂抜かれて、完全に抜け殻になった教皇の表情と、その後の行動。。涙 その後の展開も早かったな!まだルクレツィア結婚1回なのに教皇まさかの。。もうこの時にはドラマの打ち切り決まっちゃったのか!?

ほんとシリアスすぎて、重過ぎて、唯一、いや、二つの笑いどころはコレ↓だけだな。

まずミケ!笑 孤児あがりかと思ったらまさかのママズボーイ。。医者。。父親。。親友。。!!いや、なんか最後のそっちの感じは初登場時からしてたぞ、アレなんでだろ。。

そんでこの会話な。

教皇「チェーザレ お前は黙ってろ」
チェーザレ「私は何も。。」
教皇「考えが聞こえてくる」
Qちゃん

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