ねまる

仮面ライダーオーズ/OOOのねまるのレビュー・感想・評価

仮面ライダーオーズ/OOO(2010年製作のドラマ)
4.0
仮面ライダー系の戦隊モノを観たのは初めて。
小さい頃アバレンジャーを観ていたという記憶はあるのだけど、それ以外は観ていなかったし、もちろん大きくなってから観るのも初めて。

これは評判の良い作品であるということもあるだろうけど、MCUなどでヒーローモノに慣れているからかとても面白かった。
多分この話がすんなり受け入れられてるのは、小林靖子脚本だろうな。
①欲望をテーマにした深いテーマと軽いテイスト
②主人公の正しくて間違った正義論
③主演2人の安定した演技

人の欲望が怪人を産むという設定もあり、これ子供理解出来るの?と不思議に思う軽いのに深くて好み。
欲望と一言で言っても、お金やブランド品への欲望から、有名になることなどの欲求がテーマとなっていて、欲望は誰にでもあって、その欲望とどう向き合うかが大事だと思うとか、欲求は失くしたと思っても揚げまんじゅうは美味しいとか、微妙にズレながら大事なことを語っている。ヒーローモノで正義への欲求を扱って、人は正義だと思えばどこまでも残酷になれる、手を伸ばせば届くのに手を伸ばさなかったら後悔するから出来ることをする、といった正義論を主人公を通して語らせるの良すぎるでしょ。そしてそれが感情に蓋をされたものだとわかる後半も。

主人公が必要なのはちょっとのお金と明日のパンツという欲の無い、自分より他人のことを考える素直な青年=火野映司で、彼と、口も態度も悪くて上から目線な右腕=アンクが凸凹ながらお互いを必要としていく流れも良い。
映司って背景設定はもりもりだけど、1話から渡部秀がとても安定した演技をするから、すんなり入り込める。一方の三浦涼介はキャラ作りを確立させていて、二人のバランスが抜群に良かった。アンクちゃん、だんだん愛おしくて仕方ないよ。
KEEさんに、安藤玉恵さんに、阿部進之介、未来穂香ちゃんなど、ゲストも豪華でびっくり。

ヒーローソングも沢山あって、映司とアンクが二人で歌うTime Judged allとか本編以外にもなんども聴いちゃいました。

今回思いの外楽しんだので、菅田将暉の仮面ライダーW、オダギリジョーの仮面ライダークウガ、NHKの全仮面ライダー大投票1位の仮面ライダー電王、過去キャラたくさん登場の仮面ライダージオウ、中島かずき脚本の仮面ライダーフォーゼなど、色々気になっちゃったりもしてるのだけど、流石に50話近くしんどいし、今回たまたま合っただけな気もしてるから、また機会があったからかな。


ラスト・ネタバレ



アンクちゃんが、ただのメダルの塊から命を望み、死ぬことで命があったんだとなるラストエモすぎる。泣くわ。
ねまる

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