山岡

デスパレートな妻たち シーズン8<ファイナル>の山岡のネタバレレビュー・内容・結末

4.6

このレビューはネタバレを含みます

カルロスがガブリエルの継父を殺し、主役4人が山に死体を埋めた衝撃のシーズン7ラストから続く最終シーズン。

『デスパレートな妻たち』では、これまでクライムサスペンスの要素はシーズンゲストに担わせ、主役4人は主にコメディや人間ドラマを担うという役割分担がなされてきた。
シーズンによっては、ゲストのキャラクター的な魅力が乏しく、それによってサスペンス要素の訴求力が落ち、シーズン全体の面白さが損なわれてしまうという事態もしばしば発生した。だがしかし、今回、犯罪の秘密を抱えるのはブリーを始めとしたお馴染みのメインキャスト4人。さらに、倒叙方式を採用することで、視聴者の感情移入の度合いを高めることにも成功している。罪が発覚しないよう、それぞれのキャラクターが擬装工作を行ったり、スーザンが持ち前のウザさを発揮して死体を埋める様子を絵に描いたりと終始ハラハラしっぱなしだった。

また、最終シーズンということで、ブリーを孤立させ、自殺したメアリーアリスと同じような環境に身を置かせることで、シーズン1と対になるような構造を生み出したのも興味深い。ただし、これについては、(オーソンによる謀略であったというネタバラシはなされものの)ブリーが孤立する過程が余りにも強引で説得力に欠ける気がした。

最後はブリーが殺人の罪で裁判にかけられ、末期癌のカレン・マクラスキーが自らを犠牲にして彼女を救うという展開。郊外のご近所同士のいがみ合いを描いてきたドラマの最後を、ご近所同士が助け合う様子で締め括ったのは流石に上手いなと感じた。

最終話では、これまで死んでいった多くキャラクターが街を去るスーザンを見守るという、不気味さと感動が同居した奇妙なエンディングを見ることができる。数々の名作ドラマが締め括りに失敗しているが、本作のエンディングには全く非の打ち所が無い。

シーズン1から8まで常人の想像力を遥かに超えたエクストリームなユーモアでずっと笑いっぱなしだった。本作はドラマ史に残る大傑作と言って間違いないだろう。
山岡

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