上海十月

坂の上の雲 第1部の上海十月のレビュー・感想・評価

坂の上の雲 第1部(2009年製作のドラマ)
3.0
司馬遼太郎は、生前本作の映像化は、拒否していた。小説は、司馬史観を含めて表現可能だが、映像化となるとナレーションでうまくはめ込んでいても全てが伝わらない。丁寧に作っているとは感じますが本当のメッセージを見失う人が出てくるのではないかと思ったのではないかと。どうしても勝利の話になってしまうので変に解釈してしまうのではないかと恐れたと感じます。まさしく日露後の日本は、その変な解釈により道を誤るわけです。伊藤博文が必要以上に外交を重要視し相手を恐れるのは、長州時代の四カ国連合艦隊による砲撃であり戊辰、西南戦争を経験したからでしょう。NHKスペシャル日本海軍400時間の反省会にもあるように太平洋戦争を動かした人々は、ほとんど戦争を経験したことがない人によって行われたことが解ります。山本五十六のように日露の経験者は、戦争を反対していたことからも、戦争の悲惨を解る必要があるのです。2部以降は、英雄譚が強くなるかもしれませんが、くれぐれも変な解釈にならないような配慮をお願いする次第です。
上海十月

上海十月