※放送当時に書いたレビューです。
金がほしいですか？
金持ちになりたいですが？
貧乏人はいやですか？
「金持ち」に「人」をつける言葉はないのに、「貧乏」に「人」をつけると「貧乏人」になるんですね。ってことは「金持ち」は人間じゃないのか。
風太郎が最期に見た世界は、金がない世界だった。金持ちも貧乏人もいない世界だった。
貧乏人は幸せにはなれないから、金持ちになるしかなかった世界で、結局のところ幸せと不幸の違いは金だった。もしかしたら、この世に金さえなければ幸せになれたのかもしれない。
風太郎は誰も恨むことが出来なかったのかもしれない、本当は一番金を恨んでたのかもしれない、そしてそれに気付いてしまったのかもしれない。
ただの紙切れが、誰かが「これは価値のある紙ですよ」って言い出しただけの紙切れが、それさえなければよかったんだね。
この世は不条理だ。
狂ってる。
なんの為に働いてる？
金のため？生きるため？
働きもしねぇでいけしゃあしゃあと生きている奴は山のようにいるぞ。働きもしねぇでオレやあんたより笑ってる奴は山のようにいるぞ。働きもしねぇでオレやあんたより自分勝手な奴は山のようにいるぞ。
風太郎の言う通り金持ちかどうかなんて、そいつの先祖が昔ちょっとケンカが強かっただけなのかもしれない。なんの苦労もしないで財布の金がなくならないのは、そいつの問題じゃない。
なぁ、結局何が金なんだ？何に価値があるんだ？
心？愛？本当か？
じゃあ、なんで金で殺し合うんだ。なんで男と女が別れただけで慰謝料という金があるんだ。
普通が一番の幸せという。なら、普通の暮らしすらまともできない貧乏人は絶対に幸せになれやしないじゃないか。
金で買えないものなんてないのか？金じゃ変えられないものなんてないのか？
全てを金のせいにできればいいんだ。金はしゃべらないし、金は腹も減らない。
でも何でだろう？
金が全部悪いのに、金のせいに出来るのに、金に勝てば幸せだったはずのに、なんで頭にちらつく幸せに「金」はいないんだろう。
金さえあれば、って思ったことは誰にだってあるはず。なのに何故、心が満たされるときに「金」はいないんだろう。
世の中金だけじゃないから？
いや、金じゃ手に入らないものも、ある程度の金がないとチャンスすら与えられない世界なんだよ、ここは。
生きるって楽しい。
もっともっといろんなことを知りたいし、見たい。 それがどんだけ黒いものだとしても。真っ黒な奴がいけしゃあしゃあと白々しい顔をしていても。
見ないふりして、「世の中金じゃない」って言って幸せになれるんなら、それでよきゃお幸せに。
人生に採点があったとして、オレには満点なんか取れないから、取らないよ。世の中に金がある限り、みんなが幸せになんてなれやしない。60点取れりゃ大満足だ。
銭ゲバ、先なんて何もない闇の中で光輝いていて、泥まみれに汚れてるのに美しい。
いいドラマだった。
幸せは歩いてこない
だから歩いてゆくんだね
500円わぁーお⭐︎
