群青

エージェント・オブ・シールド シーズン4の群青のレビュー・感想・評価

3.3
前作、ようやくヒドラの起源を犠牲を払って倒したところ、デイジーはチームを抜け単独で行動。
でもやっぱりチームでやりたいコールソンはデイジーを追うのだが…


今シーズンはストーリーの縦筋が多く結構複雑でした。ただシーズンを重ねるたびに面白さを増していると思う。
その代わりMCU本筋からはどんどん離れていってるわけだけど…劇中で起こる事件はもはやシールドを範疇を超えておりアベンジャーズに出てもらわないといけないことばかり笑
まあそれは野暮なツッコミということで…


今シーズンはほぼ4パートに分かれている。タイトルロゴも綺麗に4つに分かれているため分かりやすい。

パート1はゴーストライダー出現とチームの再合流。
パート2はラドクリフ博士と彼の作った前シーズンラストで振りとして使われたある存在の起こす事件。
パート3は2からの延長で結果出来上がった新たな世界へチームが突入。そこで囚われたチームの救出。
最後は全ての事態の収束と決着。そして次回への布石。となっている。


パート1は今シーズンの最初の大ネタであるゴーストライダーとそれにまつわる話。
ここでMCUフェーズ4で出てきたあるブツが先駆けてこっちで出てくる。フェーズ4でもやべえ使われ方をしたのだが今回のソレはMCUを軽く凌駕している。
というかあっちが後なんだけど…パラレルワールドをフェーズ4の中心に据えるべく選ばれたアイテムなんだろうけど、2023年の今となってはMCU自体の継続が怪しい方向に向かっている気がするのでこれもまた皮肉か。

とりあえずゴーストライダーはアメコミ自体でもかなり強いらしくこの作品内でもほぼ無敵。
存在の背景もちょっとぼかしてあり、行動原理も復讐と地獄にいるべき奴らを地獄に戻していってる、というようなちょっと抽象的な感じなのだがまあ上手く料理しているとは思う。
ゴーストライダーを演じているのはこれがきっかけ?なのかターミネーター2の正統続編(と当時謳ってた)ターミネーターニューフェイトでターミネーターを演じた人。めっちゃイケメン。やべえイケメン。ターミネーターとはまた違うイケオジでした。
その代わり敵がキャラとして弱かった。
まだ並行して描かれていたラドクリフ博士とか番犬周りの方が面白かった。


パート2は前シーズンからクセありそうーと思ってたらラドクリフ博士が中心となって一悶着起きる。というかこの一悶着がやばすぎる。
やり辛いしホラー展開もありシールドがどんどん後手に回っていくので観ていてしんどい…どんどんラドクリフ博士にヘイトが溜まる。しかもコイツ自身は全然強く無い。頭だけがクレバーというのがイライラしてしまうし魅力的でもある笑

パート3はパート2からの延長。
今シーズンの根幹でありif展開をジャンルとして扱っている。そのためこれまでのシーズンで退場したキャラとかを再利用できるというメリットがある。また、今までの関係性とはガラッと変わることによって元の世界での本人たちの本当はこういうことを思っていたのか、こういう一面もあるんだなと再解釈できる。これは脚本がうめー!!
人は環境や何気ない言葉で全然変わってしまうというのも面白い。

パート4はこれまでのツケを払ったチームが再出発するところまで。
紆余曲折を経て関係性が変わりまくりそれでも信頼し合ったチームが最後に選んだ選択というのがエモかった。
間違いなくこれまでの積み重ねで選んだ道、という感じで素晴らしかった。


毎度、シーズン毎に言及しているが今シーズンも間違いなくフィッツシモンズが素晴らしい。
受難に遭ってきた2人に迫る試練。もはやこの2人が主人公じゃね?と思った。
フィッツは創造主の責任の重大さ、if世界でやってしまった事実に精神を心配してしまうし、それでも支えようとするシモンズに泣けてくる。
嫌だなぁと思うのがコールソンとメイ。この2人はある種恋人を超えたところの仕事仲間、戦友という感じが良かったのになんか匂わせるとウゲえとなる。幸いそれは無かったことになるのでこれからどうなるのかが気になる。

マックはここにきてシーズン2の新シールドより衝撃的た過去があることがわかりそれをヨーヨーがなんとかしようと頑張る。子供がいる親なら感情移入せずにはいられないマックの切実な願いと選択に泣けてくる。
それでも現実と向き合おうと必死になるヨーヨーも健気。ここ本当に良かった…


ヒドラもなくなりゴーストライダーも仕事を終え消えたし、if世界も無くなった。
残る秘密は番犬の背後に隠れてたかアイツの本体の場所が秘密のままなのと、海に沈んだインヒューマンズ。
そして最後のコールソンの場所。

シーズン5も楽しませてくれそう。
群青

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