竜平

デアデビル シーズン1の竜平のレビュー・感想・評価

デアデビル シーズン1(2015年製作のドラマ)
4.1
NETFLIX系列で製作された「マーベル・シネマティック・ユニバース」のドラマシリーズ、その第1弾。昼間は弁護士、夜は覆面の制裁人としてニューヨークのヘルズ・キッチンにて活躍する盲目の男「マット・マードック」の物語を描く。全13話。

今まさに毎週配信中のMCUドラマ『シー・ハルク:ザ・アトーニー』を見てて、この「デアデビル」というキャラが本格的にMCUに参戦してくる噂と気配をビンビン感じて、ここに来て急いでシーズン1を初鑑賞。ベン・アフレック主演の映画版の方は見たことあったもんでとりあえずこのキャラの大まかな設定は知ってたわけだけども、まずはキャラとしての謎を含みつつの始まり方がおもしろいなと。序盤なんかは法廷ドラマとして進むけど、そこも含め前述した『シー・ハルク』とは真逆というか、向こうはコメディに振り切ってるのに対してこっちはハードボイルド調で俄然シリアス。というか今のMCUとは明らかに異なる作風、展開から描写までなかなかバイオレンス。チャーリー・コックス演じる主人公「マシュー・マードック」通称マットがまたクールで頼もしくて、そして体術系のアクションもガチンコ系でめちゃかっこいい。身体能力の高さに加えて視覚以外がハンパなく鋭いなどのちょっとした特殊能力はあれど、強さで言えばわりとそこらへんの強者と大差ないという、最強でないあたりも人間味に溢れていて良き。他にもロザリオ・ドーソン演じる看護師のクレア、マットの弁護士事務所の同僚で親友のフォギー、最初の依頼人となる女性カレンに記者ベン・ユーリックなど続々登場。で、なんと言っても「キングピン」ことウィルソン・フィスクに扮するヴィンセント・ドノフリオの怪演が光りまくる。狂人的な恐ろしさと、ある種の弱さも見えるという、これまでに見たことないタイプのこれまた人間味の溢れるヴィランになってるなと。

少しずつ回想を挟みながら過去やここまでの経緯を明かしつつ、そこにあった親子、そして親友フォギーとのドラマ、人物それぞれに生まれる信念や葛藤なども描いていく。入り組む人間模様や、曖昧になる正義と悪の境界線など、重厚感もあってかなり見応えのある内容に仕上がってる。要所要所でグッとくるし、今回が丸々オリジンストーリーになってるあたりも良きワクワク感を残す。これよりもっと後、『ワンダヴィジョン』から始まるMCU直系のドラマ勢と比べると一話一話の時間が若干長く、気軽に見れない感じがあるのは個人的に減点、なんだけど、ちゃんと全話おもしろい。そんでこっちはこっちで今後『ザ・ディフェンダーズ』へ繋がっていくこともわかってるからこそ、そこもワクワクポイント。というわけで次回作は『ジェシカ・ジョーンズ』。だけど先にこっちのシーズン2を見ちゃうぜ。
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