ナシノツブテ

ラスト・フレンズのナシノツブテのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト・フレンズ(2008年製作のドラマ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

キャスティングが完璧。それぞれ、真に迫った演技だった。未だに、錦戸亮を見ると怒りが湧いてしまうくらい。笑

DV(からのストーカー化)、LGBT、性虐待、ネグレクト…様々な問題を織り込んだ作品だったが、上手くまとめられていたように思う。

バッドエンドかなとヒヤヒヤしていたが思いの外ハッピーエンドで安堵した。

ひとまず、宗佑が死んでくれて良かった!美知留か瑠可が殺される流れだと、遣り切れないもの。

美談のようにまとめられているが、宗佑は最期まで自己愛モンスターだった。歪んだ愛、ともまた違う。ただただ、自分を愛していただけ。

その証拠に、美知留を解放してあげると言いながら、自死という形で美知留に一生解けない呪いをかけた。

DVやストーカー化する人間は大抵、相手に自分の理想を押し付け、思い通りにならないとあの手この手で支配しようとする。

家庭環境に難があったからと言って、それは宗佑を擁護する理由にはならない。対照的な存在であるタケルは、過去のトラウマを抱えていながらも、真っ直ぐ人を愛そうと努力ができる人間だ。結局は、個人の選択なのだ。同情の余地なし。

宗佑の被害者面には終始イライラした。他人の気持ちを想像できないモンスターが一丁前に涙を流すな。

宗佑が本当に美知留を愛していたと言うなら、まず精神科に行って適切な治療を受けろ。話はそれからだ。

美知留の煮え切らない態度にも腹が立ったな〜犯罪者の異常性を助長させるだけで、それは優しさとは言わない。周りの迷惑も考えろ。

瑠可の美知留に対する愛、タケルの瑠可に対する愛。両者の無償の愛には天晴れ!

美しい。その一言に尽きる。

DV、ストーカー、LGBT、虐待。実際、個々人ではどうにもできない問題だらけ。被害があって初めて、警察は動く。命が失われた後ではもう遅いのに。

法整備が追いついていないのが問題なんですけどね。

作中でも、いやいや問題が発生する前にまず法的機関に相談したら?と思う場面が多々あったが、実際法的手段を取ったところで事態は好転するどころか悪化することもあるのでね…難しい問題よね。

結論、色々と考えさせられる良い作品だった!長澤まさみははちゃめちゃにかわいいし!上野樹里はかわかっこいいし!瑛太は美しいし!錦戸亮は………ひたすら気持ち悪かったごめん(それだけ演技が優れていたということ!)。

「素直になれなくて」と少し似ているような気がした。キャスティングや取り上げている問題が。スナナレは救いのない話だったので、本作にはまだ救いがあって良かった。

宗佑というモンスターを作ってしまった母親は地獄で猛省してください。以上
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