紅孔雀

アガサ・クリスティーのミス・マープル シーズン6の紅孔雀のレビュー・感想・評価

4.7
ほぼ1ヶ月、23篇を見続けて、今回がミス・マープルも最後になります。なんだか少し寂しい気持ちですが、ラストにふさわしい傑作揃いだったのが嬉しかったです。

「カリブ海の秘密」❺(5点)
…同じ犯罪を繰り返す犯人像が出色。007の著者イアン・フレミング(!)も特別出演します。

「グリーンショウ氏の阿房宮」❹(霜月氏は採点なし)nonシリーズ

「終わりなき夜に生まれつく」❺+(5点)nonシリーズ
…クリスティー・ミステリの集大成と言うべき傑作です。悪の種子、過去の犯罪、意外な共犯者(以前からの知り合い、ジプシー)、多様な殺人形態(毒殺+事故+口封じ)そして何よりもサイコパスな犯人像の造形に戦慄します。その恐るべき心の襞(ひだ)を“語りのトリック”によって表現したのも、ミステリの女王らしい巧みさでした。
これが70歳代後半の作品と言うんだから、クリスティーという作家の凄みがじんわりと伝わってきます。
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