竜平

3年B組金八先生 第5シリーズの竜平のレビュー・感想・評価

3年B組金八先生 第5シリーズ(1999年製作のドラマ)
4.8
ドラマ第5シリーズ。老人介護センターが併設されることになった桜中学、一方3年B組では担任と生徒の間で何やら事件が、というところから始まる話。全23話。

23話と言いつつ時間が長い回もいくつかあるもんで、実質27話くらいのボリューム。今回は生徒による担任教師の集団リンチ事件に始まり、その中で見える校内暴力や体罰問題、嫌がらせなどによる不登校や学級崩壊、また高齢化社会に於ける老人と若者の交流なども描かれていく。初めはラサール石井演じる教員「中野」が受け持っている3年B組。序盤も序盤から生徒の不満やら不信感やら、そんで担任側のあまりよろしくない素行?態度?も見えて、不穏な空気が漂いまくる。なんといっても今回の目玉となるのが風間俊介演じる問題児「兼末健次郎」の存在。他のクラスメイトの弱みを握ってあれこれ煽って悪事を働かせる、しかし本人は教師の前で優等生の顔を見せる、で成績優秀であるが故に教師も彼の本性に全くと言っていいほど気づかない、という、なかなかのやり手。そんなこんなで問題山積み&闇の深すぎる3Bを二学期から臨時担任として見ることになる我らが金八。なかなか尻尾を出さない健次郎や他生徒、前半なんかはさながら探偵モノやサスペンス作品のようなおもしろさもあったり。一話一話で巻き起こる様々な出来事がバッチリ後の伏線になっていくもんで目が離せない。もちろん堅苦しいエピソードばかりでなく、微笑ましかったり可愛らしかったりの中学生特有の問題というのもしばしば。悩んでる者、反抗心の強い者などなど、様々な問題を金八がバツグンの洞察力、人間力で察し、見つけ出し、状況に応じた言葉やペースで解決していく。ゆーて金八も万能というわけではなく、所々ミスをしたり見逃したり感情的になったり、その人間味が非常に良き。金八と生徒たちの普段のやり取りというのがまたいいんだよなと。正直な話、生徒を演じるキャストたちの中には演技が今ひとつ、いやもっと頑張りなさいってなのも数名いるんだけど、逆にこれがいい味を出すというか微笑ましさを倍増させてるというか。それぞれのエピソードに関してはまぁ書いてたらキリがないから割愛。時にほっこり、時に切ないエピソードが盛り沢山。

後半は健次郎の家族問題にようやく切り込んでいくんだけども、ここでもその不幸な境遇、複雑な家庭環境、巻き起こっていく新たな問題に目が釘付けになる。グレる生徒にもやっぱりそれなりの理由があるんだよねきっと。真正面から向き合っていく金八にやっぱり胸が熱くなる、両親に説教するあたりとかマジで拍手。また今回の個人的お気に入りポイントとしては金八の息子「幸作」の地味な活躍や自身の葛藤の様子。彼もこの年度で中学校を卒業ということで、金八との絶妙なやり取り、親子でありつつ教師と生徒でもある、その関係性とエピソードに泣く。ラストの名前のくだりなんかはマジで名場面。

テレビで放送されてた頃はまだ小学生だったんだけど、ゆーてそこから今まで何度も見てるし、その都度泣いてしまうんだよね。たまに無性に見返したくなるし、そのまま第6シリーズも見たくなってしまう。見るかな。
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