完走…。
あまりに面白くて何度も呼吸が止まった。
帝国の終焉を描いた傑作シリーズのフィナーレは正直まだ先が観たい気持ちになり完璧とは言い難いものだけど、史上最高のアンサンブルキャストによる凄まじい演技の応酬を拝めて大満足。
サクセッション(継承)の物語は、リア王ではなくレディ・マクベスだったのかも。
民主主義が脅かされる選挙戦は過去の再現か未来の予言か、恐怖と嫌悪感が押し寄せる中でのワサビに爆笑してしまう脚本が圧倒的クオリティ。
ニコラス・ブリテルの音楽も耳福。
全てが最高峰の作品の中でも、やっぱりケンダル…。
全員クズで道化で滑稽で愛着すら覚える複雑なキャラだけど、わけても全く成長せずいつやらかすのかずっと不安でつい見守ってしまう。
ジェレミー・ストロングの魂の抜けた絶望の表情は絶品。
女性という理由で父からも兄弟からもまともに扱われなかったシヴの逆襲を演じたサラ・スヌーク、虚勢を張り情けないものの優しさも感じさせるキーラン・カルキン、憎みきれない俗物マシュー・マクファディン、一番幸せに見える長男アラン・ラックと、役者陣が本当に素晴らしかった。