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メディア王~華麗なる一族~の傘籤のレビュー・感想・評価

メディア王~華麗なる一族~(2018年製作のドラマ)
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世界的巨大メディア企業を経営するローガン・ロイとその子どもたち、そしてその一族たちの物語。年老いたローガンが突然倒れたことで、家族は引退後の後継問題について考え始める。しかしローガンに現役を退く気はなかった……。それぞれのエゴと苦悩と欲望と愛、そして愚かさについてユーモアを交えながら描いたブラックコメディ。

いやー、かなりハマってます。すげえ面白いっす。こういう大金持ちの話って映画だとよく観てるんですが、海外のドラマシリーズだと初めて観るかも。ほぼ「家族」の話に終始していて、個々のキャラクターや関係性がわかりやすく奥行きもあるので観ればみるほど面白くなっていきます。みんなだいたいクセが強く、はっきり言って”良い”人たちではありません。つうか基本クズばっか。でもそここそがこのドラマの訴求力にもなっていて、彼らのダメっぷり、バカさ加減、セレブならではの感覚ってやつにどんどん惹きつけられていきました。唐突に人物の表情をアップにしたりと、ドキュメンタリーちっくなカメラワークにもクセがありますが、慣れてくるとそれがまた良さに思えてくるはず。
権力を手にし、そこにしがみつく白人、そしてその一族たちをこんなにも滑稽に映し、アメリカという「お国柄」をバカバカしいものとして可笑しく見せる。なおかつ重厚感もたっぷりと、こいつはすげえドラマです。役者さんみーんなが演技が上手く、ドラマの中で「生きて」いるのも良いですね。
シーズン1はバラバラだった家族が良くも悪くも「結束」する形で幕を閉じ、残された「ひずみ」がこの後のシーズンでどのように作用していくのかが見所になりそう。すでに最終シーズンは配信されているので、これから継続して観ていこうと思います。
ただ邦題についてはこんな大衆受けを狙ったダサいものにせず原題のまま「サクセッション」で行ってほしかったなあ。そっちの方が「継承」というこのドラマのテーマが見えやすくなるし。
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