長内那由多

メディア王~華麗なる一族~の長内那由多のレビュー・感想・評価

メディア王~華麗なる一族~(2018年製作のドラマ)
5.0
超大企業創業一家の後継者争いというシェイクスピア劇的セッティングで、登場人物全員が上には媚びへつらい、下には威張るというクソ野郎ばかりの泥仕合。『ハウス・オブ・カード』はシェイクスピア劇の現代版ポリティカルサスペンスだったが、こちらはブラックコメディ。

実はこのコメディ演出って『ブルックリン・ナイン-ナイン』の影響受けてない?やたらとズームしまくるのは99のボケを無言で返す時の演出と同じ!第4話まで来てようやくこのリズムがわかってきた。「あ、これ笑うのか!」と。

E6、緊迫の役員会議回。謀略をパワハラと恫喝で跳ね返す文字通りのパワーゲームに黒い笑い。ラニスター家パートだけの『ゲーム・オブ・スローンズ』。

完走。バカ過ぎる兄弟&新郎の痴態、翻訳不可能なサラ・スヌークの口の悪さに笑い転げていれば、まさかの“レッド・ウェディング”。強大すぎる父親のモラハラによって脆弱メンタルになってしまった次兄ケンダルの哀れ(ジェレミー・ストロング、名演)。重厚な終幕を堪能した。
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