Fitzcarraldo

タイガー&ドラゴンのFitzcarraldoのレビュー・感想・評価

タイガー&ドラゴン(2005年製作のドラマ)
5.0
2020年の暮れの全話一挙放送SPを大掃除もせずに一挙見してしまう暴挙に出るほどのクドカン最高傑作!

古典落語を分かりやすく現代にアレンジしたサゲも素晴らしいし、さらに凄いところは、それを連続ドラマとして最終話までに綺麗に紡いで落とすところ。連続ドラマものとして最終話までの見事な流れ、その構成に改めて驚いた。

先日、新宿末廣亭の夜の部を見に行ったが、誰も古典をやらず、大したオチもないクソつまらない自分の身の上話をやっていた。まず声が小さくて何を言ってるか聞こえないという…。夜の部のうち、ひとりだけしか聞こえなかった。さらに楽屋で何やら盛り上がってるようで、話し声が漏れまくって…相当イライラした。

オイオイオイ舐めてんのか?これが芸と言えるのか?聞こえないっていうのは…なんにも始まらないだろ…マジで金返せと思ってしまった。大トリまで我慢していたが、そのトリさえも声が聞こえず興醒めした。まさに地獄のような4時間となってしまった。ブームにあぐらをかいている様が透けて見えてしまった…。

そんな興醒めした気分を盛り返してくれたオールタイム・ベストに入るテレビドラマが本作。

ほとんどの出演者が、ほぼタバコ吸いっぱなしなのも今見ると驚いてしまう…15年前に見てる当時は、そんなことなんにも気にならなかったのだが…自分も喫煙者だったし。禁煙したからなのか、やたらとタバコのシーンの多さに気になってしまう。

深夜枠とはいえ、これを再放送した攻めたTBSの姿勢も素晴らしいし、お金を出したスポンサーも素晴らしい…のだが、CMの切りどころが本放送と違うし、その数もやたらと多いのが難点ではあるが…。

最終話の『子別れ』には、まんまと泣かされてしまった。すべてのキャストを好きにさせるクドカンの手腕に脱帽してしまう。
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